Jealousy story 《 HiB短編集 》

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運動は嫌い。少し走るだけで息が上がる。


だけどもう少し、あと少し走れば見えてくるはず、




『浮所くんっ』




いきなり息を切らしながら走ってきた私を見て驚く浮所くん




｢どうしたの！？｣





上がった息も落ち着いてきて、冷静になる



『あ、えっとね、話したいことあって、』




やっぱり面と向かって言うと恥ずかしい。
それに言いたいこと、言わなきゃいけないこと沢山ありすぎて何から話せばいいか分かんなくなる。



だけど、とりあえず ｢あの事｣ 謝らなきゃ、





『試合の日、会えるって言ったのに行かなくてごめんね。』



やっと言えたごめんねの言葉




だけど｢大丈夫だよ？無理言ったの僕の方だし！｣ なんて、



なんでそんなに明るいの、優しすぎるよほんとに




いつ口から飛び出してもおかしくない｢好き｣の二文字。勢い余って言っちゃいそうでドキドキする。


告白、するために来たはずなのに。やっぱり恥ずかしい、


話す話題、見つからなくて。黙りこくっちゃった私を見て｢Aちゃん？｣ なんて声かけてくれる。


｢好き｣だって言いたい、だけど言えないの。


必死に話題を探す。


『浮所くんって好きな人いるの？、』


聞いてから気付く。こんな質問するなんて、自分で墓穴掘ってるようなもんだ。返事聞くの怖くなる、




｢いる、かな｣


頭に響く浮所くんの言葉。いるんだ、好きな人



うん、そりゃそうだよ！いるに決まってる。
かっこいいもん浮所くん。



頭の中ではそう思えてもやっぱり我慢出来なくて。泣いちゃダメ！泣いたらめんどくさいって思われちゃう、




｢Aちゃんは｣

｢好きな人居るの？｣って、ちょっと自信なさそうに聞いてくる。




『いるよ！ずっと片思いだけどね(笑)』



いるよ目の前に！この勢いなら言える、浮所くんが好きだよって、

振られてもこの際大丈夫。
やっと、やっと覚悟決まったのに



｢那須？｣

『な、す？』


えっと、那須？あの？那須くん？

やっと言えると思ったのに、タイミングが！



『違うよ！』

急いで否定するけどなんだか腑に落ちない様子の浮所くん。



｢那須じゃないの？え、じゃあ誰？｣


『好きだけど、手の届かない人かな？』

『かっこよくて、勉強もできて、テニス上手くて、なんでもできちゃうの、』







『浮所くんのことが好き、です。』




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