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雨の音 ページ46

『はぁ・・・痛・・・』

目を覚ますと頭がガンガンと脈を打つ。

時計は正午を回っていた。

うっすらと思い起こされる昨日の記憶。

どうやって帰ってきたかいまいち覚えてない。

けど、ここでマークに言ったことははっきりと覚えている。

・・・マークにジニョンが好きって言ったことも。

私は何気なくテレビをつけた。

《今日の天気は大荒れでしょう》

アナウンサーの声が自然と耳に入る。

カーテンを開けると案の定、大雨が降っていた。

今日はどこも行かないでゆっくりしていようと・・・。

何をするにもだるくてまだ完成にお酒が抜けてないんだって思った。

ピンポーン

突然に鳴ったインターホン。

『はーい』

ドアを開ける。

『・・・っ、ジニョン!?』

目の前にはポタポタと雫を流しているジニョンがいた。

『ちょっと、ずぶ濡れじゃん!!!タオル持ってくるから中入って』

私はジニョンを中に入れて、玄関を閉じた。

ジニョンは何も言わずうつむいている。

どうしたんだろ・・・。

でもとりあえずタオル・・・。

タオルを取りに行こうとしてジニョンから手首をつかまれた。

『っ!ジニョン・・・!?』

一気に背景が変わる。

背中には壁。目の前にはジニョン。

JR「昨日・・・」

いつもの優しい声じゃない。

JR「本当は誰といたの・・・?」

本当は・・・。

その言葉から私が嘘をついていたことを知っていると分かった。

マークと私が一緒だったことも。

『それは・・・』

なぜか目頭が熱くなってきて視界がぼやけた。

私はゆっくり言葉を発する。

『・・・本当は・・・マークと一緒にい・・・』

急に塞がれた唇。

紛れもなくジニョンによって塞がれている。

『んっ・・・ジニョンっ・・・』

ジニョンの胸を叩いてもびくともしない。

ジニョンは私の足の間にひざを滑り込ませていて、倒れることもできない。

『・・・ちょっとっ・・・んんっ・・・』

離れたと思った唇はまた重なって、どんどん深くなる。

涙でぼやけてジニョンの表情も伺うことができなくて。

もう何も・・・考えられない・・・。

『はぁはぁっ・・・』

ジニョンと私の唇が離れていく。

ジニョンの息遣いも荒くなっていた。

「・・・ごめん」

その瞬間、我慢していた涙が溢れた。

JR「・・・もう、会わない・・・」

ジニョンがかすかに耳元で囁く。

バタンと閉められた扉。

崩れ落ちるようにその場にしゃがむ。

とめどなくこぼれる涙は雨の音にかき消された。

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作者名:milkypanda | 作成日時:2016年3月14日 15時

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