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きみの答え ページ43

「ほら、着いたぞ」

『んー、』

背中で完全に寝ていたAを起こして部屋の中に入った。

ワンルームで、家具は少なめ。

シンプルにまとめてあった。

Aをベッドに連れていき、冷蔵庫を開けて水を渡した。

『ありがとう〜』

まだちょっと眠りから覚めてない感じがするけど、Aは水を飲んで、テーブルに置く。

「じゃあ俺、帰るから」

部屋を出る。

『待って・・・』

Aの声に振り返った。

『さっき、言ってたこと・・・』

お店で話したこと。

傍にいてくれる・・・?

自分で言ったことを思い出していた。

『私・・・』

Aはためらうように目線を下に向けていた。

少しの間、沈黙が流れる。

『マークの・・・傍にはいれない・・・』

そしてAは言った。

『私・・・ジニョンが好き・・・』

小さな声だったけど、確かに俺の耳に届いた。

理解もできるし、そうなんじゃないかなって薄々気づいてた。

でも、こうやってはっきり言われると・・・やっぱりこたえるっていうか・・・。

「そうか」

精一杯、声の震えを抑えて言った。

『うん・・・』

ごめんって言う声が聞こえる。

俺は、Aのもとに行った。

Aがゆっくりに視線を合わせる。

そして、Aのおでこに軽くキスをした。

『なっ・・・』

Aは目を丸くして俺を見た。

その顔が面白くてつい笑ってしまう。

「じゃあな、おやすみ」

そう言って、部屋を出た。

5年前を後悔したって遅い。

でもこれで良かった気がする。

相手はジニョン。俺が大切にしてる家族みたいな人。

Aが好きになったのがジニョンでよかったって心から思う。

これで俺も、前だけを向いて頑張れそう。

「寒・・・」

俺はフードをかぶってさっき来た道を戻る。

駅の入口に着いた。

知ってる姿がそこにいる。

「ジニョン・・・」

JR「さっき、コーヒー買ったんだけど、飲む?」

知ったんだ。俺とAが会ってたこと。

ジニョンは俺に冷たくなった缶コーヒーを渡した。

JR「帰ろ」

そう言って歩き出す。

その声はいつものジニョンよりもずっと低く聞こえた。

表情に出ないから、何を考えてるかよくわからない。

「ジニョア、」

ジニョンはゆっくりと俺の方を見た。

「ちゃんと、話す。」

そして俺たちは電車に乗り込んだ。

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作者名:milkypanda | 作成日時:2016年3月14日 15時

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