秘密 ページ35
駅のホームに着くと、私はユイさんに電話をかけた。
『急に具合が悪くなって･･･』
YUI「それなら仕方ないわ。ゆっくり休んでね」
『すみません･･･』
大丈夫よっ！っていう声に少し安心した。
MK「来たよ」
電話を切るとちょうど電車が来ていたみたいだ。
マークは自然と私の手をとって電車に乗り込む。
帰宅する学生や社会人などでかなり混雑していたけど端の方に2人座れるくらいの席が残っていた。
ここから次の駅までは15分くらい。
･･･気持ち悪い。
MK「肩に頭のせとけば？」
『いや、大丈夫･･･』
MK「嘘、下手すぎ。･･･前と全然変わってないじゃん」
マーク、強制的に私の頭を自分の肩にのせた。
ふわっとマークの香水の香りが鼻をかすめる。
それはすごく落ち着く香りだった。
聞きたいことはたくさんあるのに。
なんで何も言わず離れたのか。
あの、不在着信はなんだったのか。
もし、あの時ちゃんと事情を話してくれれば･･･私は待っていられたのに。
なのに。忘れようって思ったら急にってに現れて。
こんなふうに優しくするし。
訳わからないよ･･･。
そう思っていると、頭の中にジニョンが浮かんだ。
ジニョンには･･･言わなきゃダメだよね。
『あのさっ･･･』
いいかけて、ちょうど電車が止まった。
MK「ん??何？」
『あ、いやとりあえず降りよう』
私たちは駅を出た。
『韓国語、上手になったね』
MK「そう？まだまだ間違えてばっかだし、英語の方がずっと楽だけどね」
またマークと並んで歩くなんて想像もしてなかった。
そのあとも会話は続いていった。
『家、ここ。ありがとう、今日は』
MK「こっちこそ急に送るとか行ってごめん」
私はううん、と首を横に振った。
MK「あと･･･」
マークが唇を舐めるってことは何か言いにくいことなんだろう。
MK「ジニョンになんだけど･･･」
なんで、私とジニョンのこと知ってるの･･･？
MK「言う機会があったら、俺から言うから。昔･･･付き合ってたってこと･･･」
なんで知ってるんだろうっていう疑問は残るけど、とりあえず了承した。
MK「じゃあな。お大事に」
そして、マークの姿がまた遠ざかっていった。
部屋に入ってベッドに寝そべる。
なんでだろ。
･･･ジニョンの声が聞きたい。
なんでそう思うのか、自分でもよくわからなかった。
けど無意識に私はジニョンに電話をかけた。
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作者名：milkypanda | 作成日時：2016年3月14日 15時
