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小さな約束 ページ12

お客さんが立ち止まって振り向いた。

『あの、ここにはないんですけど・・・私、その本すごく好きで・・・』

こんなことしてもいいのかわからないけど。

『私が個人で持っているんですが、もしまたいらした時貸しましょうか・・・?』

こっちでも、置くようにしますが・・・と付け加える。

やっぱりおかしいよね。

お客さんに店員が本を貸すなんて。

でも、あの本は絶対に読んで欲しいと率直に思ってしまった。

お客さんはパチパチと瞬きして、またふわっと笑った。

「本当ですか?嬉しいな」

『とてもいい本で、ぜひ読んで欲しくて・・・』

目線を自分の足元に向ける。

「分かりました。じゃあまた来ますね」

『お待ちしております』

そのお客さんはペコリとお辞儀をしてお店を出て行った。

また来るか分からないけど・・・。

明日、家から持ってこようっと。

彼女 JRside→←一言



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作者名:milkypanda | 作成日時:2016年3月14日 15時

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