私であり、僕でもある大冒険 その2♪ 【ぼくらシリーズ】

-頭脳派で万能の弟- ページ43

菊地)…頭脳派…。


歌那谷)あ、でも、別に敵に見つかる心配とかはないんで。
スナイパーでもいない限りはw
散れ((低音ボイス


パチンコ玉が四方八方に散らばっていく。


歌那谷)後は、パソコンにネットワーク回線を組み込めば…よし。
あ、もう処理終わったんで進みましょう。


相原)…流石、というべきだな。


歌那谷)まぁ、この位お兄ちゃんなら3分しないんですけどね。
処理にかかる時間も数十秒だと思います。


少し戻ると、ベンツが突っ込んだ道がある。


車が1台通れる程の細さだ。


ベンツは、5、6mほど先の畑の中に突っ込んであった。


矢場)誰か乗ってるか？


矢場が聞いた。


辺りはかなり薄暗くなって、そこからは、車の中の人影までは見えない。


相原)わかんないや。


久美子)私が見てくる。


久美子は言うが早いか駆け出した。


矢場)ちょっと待て。


矢場が言ったときには、もうベンツの近くまで行っており、窓から中を覗き込んでいた。


久美子)誰もいないよ。


久美子は、こっちを向いて手を振った。


菊地)あれ？
歌那谷は？


相原)何処行った？


歌那谷)すみません、隠れていました。
敵に見つかると、戦闘能力の低い僕は叩きのめされたらたまりませんし。
パソコンも壊れると使い物にならないので。


菊地)戦闘力って…。
どの位だ？


歌那谷は冷静に答えた。


歌那谷)剣道8段ですかね。
棒があれば良いんですけど、そんなのないし。
後は空手5段とか…。
向こうがパソコンを持っているならウイルスを流し込めるのに…。


相原)それは弱くないな。
Aの弟に限ってそれはないとは思ってたが、想像以上だ。


矢場)これからはもう少し気をつけて行動してくれなくちゃ困るな。
見つかったらヤバイんだからな。


矢場は渋い顔をして、戻ってきた久美子を睨んだ。


久美子)すみません。


久美子は素直に頭を下げた。


歌那谷が言う。


歌那谷)素直に謝るんなら僕を盾にしないで下さい。


久美子)えへへ、ゴメンゴメンw


細い道は20mも行くと、左に折れて林の中に消えている。


瀬川たちの話し声は聞こえない。


矢場)ここからはタローに案内してもらおう。


矢場が言うと、佐竹は大きく頷いて


佐竹)タロー、頼んだぜ。


と、首筋を叩いた。


タローが勢いよく佐竹を引っ張る。


佐竹が先頭で矢場、相原、英治、谷本、歌那谷、久美子が続く。


道は林の中に入ると暗くて何も見えなくなったが、タローはまるで平気だ。


＊

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