私であり、僕でもある大冒険 その2♪ 【ぼくらシリーズ】

-大槻峠とエラー- ページ42

歌那谷)その辺の三角点は怪しいとは思いますけど。


水谷)その通りや。


矢場)あるある。
大槻峠の近くに368.4mの三角点が。


水谷)きっとそこですわ。


歌那谷)中々近いですね。
三角点はお兄ちゃんの最小電波内に入ってます。


しばらくして、車が止まる。


矢場)やっぱり、俺が思ったとおりだ。
大槻峠へ向かうらしいよ。


矢場が独り言を言ったとき、瀬川の声が聞こえてきた。


瀬川)この道を行くのかい？
…ああ、そう。
大槻峠へ行くのかい？


矢場)ほれ、見ろ。


矢場は、得意げに後ろを振り返ると、


矢場)さあ、後をつけよう。


真っ先にランドクルーザーから降りた。


カタカタカタ…タンッ


歌那谷)情報の更新です。
大槻峠内にお兄ちゃんの電波の反応は無しです。
大槻峠方面に向かうとしても大槻峠には登らないでしょう。


矢場)なんか歌那谷、俺に冷たくないか？


歌那谷)…そんな事ありません。((パクッ
普通に菊地さんと同じ様に接しているはずです。((プイ


相原)(嘘ついてる…。)


歌那谷)(大人の人は信用出来ない。)


お兄ちゃんを連れ去るなんて、僕の逆鱗に触れた輩は全員潰すけど。


歌那谷)…。


お兄ちゃん、すぐに助けに行くから。


だから、もう少し。


もう少しだけ、我慢してて。


歌那谷)？！


パソコンにノイズが走る。


その後、お兄ちゃんの反応と同じ物が数箇所に出てきた。


歌那谷)嘘…。


ノートパソコンとはいえ、一応最新のものだぞ？


僕は道路にパソコンを置くと、処理にかかった。


カタカタカタカタ…


菊地)どうした？


歌那谷)パソコンに無数の反応。
お兄ちゃんと似たようなものが大槻峠や別の位置に出現。
処理にかかる。


カタカタカタ…


歌那谷)駄目だ…。
新しいのが次々に出てきて、全然追い付かない…。


イライラして、パソコンのキーボードをダンダンと叩くも、反応が無い。


歌那谷)クソッ、もう少しなのに！
あと少し……。


カタカタ…タンッ！


歌那谷)ふう…。
衛星とのネットワークを遮断しました。
どうやら衛星の方が直接攻撃を受けていたみたいです。
仕方ないか。


歌那谷はバッグから銀色のパチンコ玉の様な物を出した。


歌那谷)…。


歌那谷は、それを思いっきり投げた。


投げられたパチンコ玉は宙に浮いている。


歌那谷)パチンコ玉に縮小したインターネット回線のコアです。
山に散らばすと、その辺一帯でお兄ちゃんの反応だけ拾うように仕込みました。


−＊−＊


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