私であり、僕でもある大冒険 その2♪ 【ぼくらシリーズ】

-矢場さんに聞いてみよう- ページ34

久美子)そっちは任せて。
8人乗りのパジェロだから、7人乗れるよ。


柿沼)運転は誰がやるんだ？


久美子)アルバイトの野口さんがやってくれる。
この人、大学生だけどかっこいいんだ。


柿沼)久美子、ここに俺がいることを忘れてもらっちゃ困るぜ。


久美子)カッキーもいいけど、やっぱり大学生にはかなわないね。
A君の方が大学生より上の領域だけどさ。
今頃、何してるんだろうな。


歌那谷)お兄ちゃんは、そんなに簡単に諦めたりしないもん。
ちゃんと、生きてるもん…。


とはいえ、今朝の長瀞付近の反応がなかったのが妙に引っかかる。


どうしてだろう。


僕が衛星を見た時間は午前9時辺り。


もう少し細かい映像を見たいと思って長瀞付近から探したんだけど、何処にも反応がなくて。


困ったなあ…。


柿沼)ショック。
俺は山に行くのは降りた。


相原)カッキーは降りたとして、後は誰が車に乗るか希望者が多かったら、くじ引きにしよう。


相原が言った。


純子)だけどさあ、20世紀で人類が滅びちゃうなんて、嫌だと思わない？


純子は佐織の顔を見た。


純子)10年って言ったら、私はまだ23歳だよ。
そんなに早く死ぬの嫌だよ。


佐織)あれ、ほんとかな。
中尾君、どう思う？


中尾)でたらめに決まってるだろう。


佐織)UFOもでたらめだと思う？


中尾)それは、沢山の人が見てるから、でたらめだとは思わない。


相原)そうだ。
UFOの事を矢場さんに聞いてみようかな。
あの人はテレビレポーターだから知ってるかもしれない。


相原は、もうダイヤルを回している。


相原)もしもし、レポーターの矢場さんお願いします。


しばらくして、矢場の声がスピーカー本から聞こえてきた。


相原)僕相原です。
こんばんは。


矢場)ああ、君か。
その後元気か？


相原)ええ元気です。


矢場)そうか。
近頃は面白いことやらないのか？


矢場の声は、相変わらず明るい。


相原)狼少年ごっこというのをやりました。


矢場)なんだ、それ……。


相原が、鬼丸と教頭、校長を騙した話をすると、矢場は声が割れそうなほど笑った。


その中で不満そうな声が2つ。


歌那谷)ちょっとずるい！
何してくれてんの？


神尾)俺達仲間なのに無視されてんのは無視ですか？


相原)君達が入る前の事だ。


歌那谷)神尾は良いとして、僕に教えない魂胆は何ですか？


神尾)ちょっと、俺はいいって何だよ！
もう小学6年相手にするのはつまんねーよ。


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