私であり、僕でもある大冒険 その2♪ 【ぼくらシリーズ】

-1年3組爆笑中w- ページ23

後ろの席の木下が小さい声で聞いてきた。


“オソマツとカバが頭にきてた”


ノートを千切ると、そう書いて後ろに回した。


紙は木下から次々と回りだした。


西尾正規の所で回っていた時、西尾は紙を落としてしまった。


慌てて紙を拾おうとすると、森嶋が、


森嶋)西尾、その紙を持って来い。


と言った。


西尾は紙を持って教壇まで行った。


森嶋)皆の方を見て、読んでみろ。


西尾は紙を手にしたまま黙っている。


森嶋)読むんだ。


森嶋が大きい声を出した。


西尾)オソマツとカバが頭にきてた。


西尾が大きい声で読むと、教室は爆笑の渦になった。


森嶋)それを書いたのは誰だ？


菊地)はいっwwwwww


英治は手をあげた。


森嶋)お前は、自分のやった事を全然反省しないのか？


菊地)しません。


森嶋)何故だ。


菊地)僕は、悪い事をしていないからです。


森嶋)悪い事をしてないだと……？


菊地)はい。


森嶋)鬼丸先生を川に入れた事を、悪いと思わんのか？


ひとみ)先生、どうして知ってるの？


ひとみが聞いた。


森嶋)俺は地獄耳だ。
お前達のやる事はみんな分かる。


森嶋はニヤッと笑った。


ひとみ)あ、先生笑った。
喜んでる。


男子)紋次郎は鬼が嫌いなんだ。


紋次郎は森嶋のあだ名である。


森嶋)冗談を言っている場合じゃない！


森嶋の言葉には迫力が無い。


男子)あんな奴、好きなのはいねえよ。


女子)例え嫌いでも、荒川で泳がせたのはやりすぎ。


男子)先生にはやらねえから安心しなよ。


森嶋)嘘は泥棒の始まりだぞ。


女子)きゃあ。


一斉に机を叩いて爆笑である。


ひとみ)じゃあ先生に聞きますけど、オソマツとカバ、好きか嫌いかどっちですか？
正直に答えて下さい。


ひとみが立って聞いた。


森嶋)そう言う事は、君達に教える必要はない。


ひとみ)先生逃げた。
ずるい。


森嶋)良いか皆、良く聞け。
人間には好き嫌いがあるのは仕方ない。
しかし、嫌いだからと言って付き合わなかったら、社会生活は出来ない。
こう言う事は口にしてはいけない事だ。


森嶋は、一言ずつ言葉を選ぶように話した。


中尾)と言う事は、つまり先生はオソマツとカバが嫌いだって事なんだ。


一番前の席の中尾が、皆の方を向いて行った。


全)そうだ、そうだ。


拍手が沸き起こった。


森嶋)校長先生を、そう虐めるな。


男子)そうはいかないよ。


女子)今度の校長はカバですか？


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