五条さん目線 一 ページ38
「なんか疲れたな」
呪術高専の中の一室に全身黒ずくめの目隠しをつけている男、五条悟は勢いよくソファーに倒れこむ。百九十もあろう大柄な体がスプリングの効いたソファーの上で跳ねた。
「ねぇ、伊地知。最近九州と北海道の呪霊が異様に減ってるの知ってる？」
僕は横目で伊地知を見た後、ソファーの上で横になったまま、脇に積まれていた本の一番上に置かれたマンガを手に取り、ぱらぱらとめくりはじめる。
「ああ、あの正体不明の呪霊狩りのことですか……最近、補助監督の中でも話題になってますよ」
「…へぇ」
≪呪霊狩り≫はその九州とか北海道の呪霊を倒している人の異名だ。伊地知は僕にちらっと視線を向けたあと、資料を机の上に置く。どうやらその話題に関連する資料らしい。それから伊地知はパソコンに向きあいながら滔々と説明しだした。
「九州はほとんどの呪霊が壊滅状態だそうですよ。窓の情報でも呪霊の残骸しかないとか、ありがたいですよね、見えないところで頑張ってるというのは。いったい何人いるんですかね」
伊地知はどこか歯切れ悪く言う。
「それだけじゃないでしょ」
僕はソファーから立って冷蔵庫に向かいながらマンガから目線を外す。
「この呪霊。死に方が異様だ。もし一般が倒しているんだとするなら武器の使用はほとんど不可能に近いよ、それに殺された呪霊といえど、特級に近いものもまざってる。かなりの実力者だね」
冷蔵庫の前まで来ると何か甘いものがないか確認するがこれといって食べれそうなのはなかった、仕方なく冷えてるコーラの栓を開けて飲む。
「犯人探しやっても意味ないでしょ。僕らの仕事は呪霊を祓うことだ。そうだろ」
「………たしかにそうですね」
「僕は人探しは無理。忙しいからね」
僕はマンガを脇に置くと、小さく息を吐く。
でも、呪霊を祓ってくれる限りこちら側にはメリットしかない。内心見知らぬ呪霊狩りにありがたいと思いながら僕は伊地知に声を掛けておく。
「あ、伊地知。僕甘いもの食べたいから買ってきてね」
不意打ちだったのか伊地知はわかりやすく顔を歪ませる。ちょっと不機嫌に思ったのできつく釘を打っておく。
「あ゛？出来るよな？」
「はっはい！……行ってきます」
ほとんど脅しに近い形だが、伊地知は焦ったようにあかべこのように首を縦に振って、出て行った。伊地知の背中が完全消えたころ、僕は伊地知がくれた資料を見る。
「呪霊狩り………か」
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moo(プロフ) - 面白かったです！ (2022年2月7日 21時) (
レス) @page44 id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 続きと今後気になりすぎる…面白かったです夢主かっこよすぎ… (2022年1月11日 21時) (レス) @page41 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
cosumo - よく分からなかったけど、面白かった！◉‿◉ (2021年11月3日 15時) (レス) @page41 id: 7be9c28f97 (このIDを非表示/違反報告)
ごりら(プロフ) - 密かに応援させていただいておりました、！！完結おめでとうございます！！最後まで楽しく読まさせて頂きました…！！素敵な作品をありがとうございました、！！ (2021年9月17日 14時) (レス) id: 0c5c330aa8 (このIDを非表示/違反報告)
初坊(プロフ) - 最後まで楽しく読ませていただきました。素敵な作品をありがとうございます！ (2021年9月16日 18時) (レス) id: 8f51cef084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しきみ | 作成日時：2021年9月5日 20時
