キミとずっと~YUTA.J~ (ページ2)

今日:9 hit、昨日:15 hit、合計:57,180 hit

199~勇太side~ ページ2

『春樹！』

「神宮寺！」

看護師に案内されたのは手術室の前。

そこには春樹もいた。

『Aは！？』

「今2人とも手術室。
薫さんが咄嗟にハンドル切ってくれたおかげで即死だけは免れた」

でも最悪な状況なのは変わりない。

『そんな...』

「でも本当に良かった...
から...薫さんは大通りを通らず裏道使ってたんだ。
俺が情報掴むのがあと少し遅かったら間に合わなかった。
周りに付けてた護衛諸共死んでた。
あれは避けられなかったんだよ。
完全にこっちの動きを読まれてた。
俺は離れてたし、そもそもあそこでトラック避けるのは不可能だ。
俺は確実に相手は成功するって思ったから白車手配を情報掴んで直ぐにした。
それでこの結果」

「もう運だ。祈るしかない...
後でお前ら全員集まれるか？
薫さんから伝言を預かってる」

『うん...
岸くん...』

ガシャン

スマホを持つことすら出来ないほどに震える手。

「神宮寺！」

「ジン！」

電話口からメンバーの声が聞こえる。

その場に座り込み震える体を手を抱きしめる。

怖い...

「岸か？
終わったら直ぐに来い。
あぁ...わかった」

春樹が代わりに話してくれた。

「岩橋が向かってるって
どうする？ここにいるか？」

小さく頷く。

「わかった...
俺はこの件についてまとめて、準備をしてくる
1時間で戻るから」

『なぁ...』

立ち去ろうとした春樹を呼び止める。

「なんだ」

『お前はなんで、そんな冷静なんだ...』

この質問に対して春樹は寂しく笑った。

「俺は慣れたんだ。
目の前で人が倒れる姿。死ぬ姿を嫌という程見てきた。
そういう仕事をしてたからな。
だからお前達に何かあっても、薫さんが死んでも俺は泣かないだろうな」

俺は人間じゃねんだよ。感情欠落しまくってっから。

「時々お前たちが羨ましくなるよ
人間らしくてね
じゃ、後で...」

踵を返して去っていった。