☆ ページ8
．北斗
辰哉「…北斗。」
…怖い…
無意識に手が震える。
辰哉「…北斗の言いたいことはわかった。」
その続きを…聞きたくない…
辰哉「ジェシーくん？是非ここで働いてもらおうよ！」
北斗「…えっ…？」
辰哉「北斗と一緒だったんなら安心よ！」
北斗「でも…、」
辰哉「ちょうどさ、募集してたんだよね。」
照「うん、ふっかの言う通り。」
涼太「北斗、もっと自分に自信持って！」
北斗「…うん、ありがとう、ございます…！」
良かった、のかな…
涼太「北斗、ジェシーに自分の気持ち伝えてきて。」
北斗「うん。」
大丈夫…涼太くんもいる。ふっかさんも照くんも。
ジェシーなら、大丈夫…。
北斗「ちょっと、話してきます。」
「「行ってらっしゃい。」」
優しい声だった。
別室でジェシーに電話をかける。
ワンコールで出たけど。
北斗「…もしもし、ジェシー？」
ジェシー「ほくちゃん？」
北斗「うん、俺。さっきの事だけど、」
ジェシー「うん。」
北斗「ここで、是非働いて欲しいって。」
ジェシー「本当に！？」
北斗「うん。」
ジェシー「ありがと、ほくちゃん！」
北斗「…ジェシー。正直俺ね、みんな反対すると思ってたんだ。」
ジェシー「ん？どうして？」
北斗「俺、ずっとジェシーと連絡取ってなかったじゃん？」
ジェシー「うん、そうだね。」
北斗「俺が、取らなかっただけなんだけどね。」
ジェシー「俺もそんなに連絡してないけどね。」
北斗「…あの日、ジェシーが出ていった日、…俺本当は行って欲しくなかった…」
ジェシー「え…？」
北斗「…俺、ずっとジェシーと居られるって思ってたからさ、ジェシーと離れたくないのが本音だった…」
ジェシー「知らなかった…」
北斗「必死にバレないようにしてた。」
ジェシー「でも、何で？」
北斗「ジェシーはさ、あの頃の俺にとって一番の親友だったんだ。」
ジェシー「そう、なの？」
北斗「うん。俺さ、ずっとジェシーと居たかったなって…思っててさ、」
自分の声が震える
ジェシー「…ほくちゃん、俺もほくちゃんと居たかったよ？」
北斗「…俺は、ジェシーのやりたいことを応援するって決めてたから…」
ジェシー「ほくちゃん、俺のやりたいことは、ほくちゃんとじゃないと叶えられない。」
北斗「…え…？」
ジェシー「俺のやりたかったことは、
俺らと同じ子供たちを俺らで救うこと。」
俺“ら”…？
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作者名：叶夢 | 作成日時：2021年3月30日 2時
