☆ ページ7
．北斗
辰哉「…同じ施設…？」
北斗「…はい、」
言いたくなかった…
俺はともかく、
ジェシーの人生までを変えたくなんてないのに。
北斗「…じぇ、しーは、俺と同じ施設で育って、18歳の時に、…自分のやりたいことをやるって…、施設を出ました。」
照「やりたいこと？」
北斗「俺にも、それが何なのかはわかんないですけど、同じ施設で育った仲間として、応援してただけです…」
辰哉「その後連絡は？」
北斗「…してないです。」
辰哉「なんで？」
北斗「……」
涼太「北斗。」
北斗「…ジェシーは、俺とは違うんです。本当は…、」
照「本当は？」
北斗「本当は…、俺と出会っちゃいけなかったんです…」
そう…
俺とジェシーは、出会うべき存在ではなかった。
北斗「…俺が、ジェシーの人生を変えたんです…！」
涼太「…北斗。もういいよ、もう話さなくていい。」
北斗「で、でもっ…！」
涼太「いいから。出会っちゃいけない人なんていないから。」
結局また俺は、
何も出来ないんだ。
照「舘さん、教えて？」
涼太「俺、北斗達がいた施設で働いてた。」
辰哉「うん。」
涼太「俺が入ったのは、高校卒業してからだから、18歳の時。」
照「うん。」
涼太「その時から北斗とジェシーは仲が良かった。」
辰哉「うん。」
涼太「…あの施設は、18歳になると、残るか出るかを決めなくちゃいけない。」
照「そうなんだ。」
涼太「俺、詳しくは聞いてないけど、北斗は残って、ジェシーは出るって聞いた。」
え…、？
北斗「俺っ、涼太くんに話してない！」
涼太「うん、たまたま聞こえた。」
知ってたんだ…
じゃあ、涼太くんに隠し通せるものなんて、何も無いよ。
照「で？」
涼太「きっとさ、俺の推測だけど。北斗はジェシーに出ていって欲しくなかったんだよ。」
辰哉「…じゃあ、なんでその時言わなかったの？」
北斗「…ジェシーは、やりたいことがあるって言ってたから、です。
ジェシーのやりたいことを、応援したかったから…」
照「でも何で、今まで連絡取ってなかったの？」
北斗「…ジェシーを否定するような言葉しか出てこないんです…」
涼太「…北斗。」
北斗「…俺がここに来た時も、ジェシーから連絡は入ってたんです。
だけど、あんなこと言ったあと、
合わせる顔なんてないんですよ…」
俺があの時、
あんなこと言ってなかったら、
ジェシーの人生変わってたのかな…
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作者名：叶夢 | 作成日時：2021年3月30日 2時
