☆ ページ5
．北斗
みんなが学校に行って、家には大人たちしかいなくなった頃。
俺の携帯に電話がかかってきた。
北斗「…はい、もしもし。」
？「あ、もしもし！ほくちゃん？」
懐かしい声。
懐かしい呼び名。
これ……、
……ジェシー？
北斗「…じぇ、し？」
ジェシー「うん、俺！元気？ほくちゃん！」
どうして、今…？
北斗「…ど、したの、？」
こんなに動揺してる、
自分が嫌いだ。
ジェシー「ほくちゃん今、なんの仕事してる？」
北斗「仕事…？」
俺の言葉…、聞いてなかったのかな…
北斗「今は…施設で働いてるけど、」
ジェシー「俺もそっち行っていい？」
北斗「、え？」
なんて……？？
ジェシー「俺もほくちゃんの所で働きたい。」
北斗「お、俺だけの判断では決めれないから、」
ジェシー「そうだよね。」
北斗「そ、相談してみる、から。」
ジェシー「本当に！？ありがと、ほくちゃん！」
北斗「、うん。また、連絡する…」
ジェシー「うん！待ってる！」
今更、合わせる顔がないよ……
リビングのソファに座って、
色々考える。
昔のことを思い出したり。
ジェシー『北斗はどうすんの？』
北斗『俺は残るよ。ジェシーは？』
ジェシー『残るの、ほくちゃん！俺は出るよ！』
北斗『え、？残んないの？』
ジェシー『残んないよ！俺、ほくちゃんは出るのかと思ってた〜！』
北斗『そう、なんだ。そっか。お前はそういうやつだもんな。』
本当は、ジェシーに出ていって欲しくなかった
結局何も出来ないまま、
ジェシーはあの施設を出ていった。
それからずっと、連絡を取っていなかった。
なのに、
何で今……？
やっと、忘れることが出来ると思ってたのに……、
忘れちゃダメなのかな…
「と、…くと、ほくと…北斗、北斗！」
北斗「え、あっはい！」
涼太「大丈夫？ボーッとして。」
北斗「だ、大丈夫。」
涼太「何かあったの？話せる？」
何で…
何で涼太くんにはいつも、全部分かっちゃうんだろう
北斗「りょ、涼太くん。」
涼太「うん？」
北斗「じぇ、ジェシー…って覚えてる？」
涼太「ジェシー…？」
北斗「うん、あの…背が高くて、アメリカのハーフの…、」
涼太「うん、覚えてるよ。」
北斗「…うん。」
涼太「ジェシーがどうしたの？」
北斗「…じぇ、しーがここで働きたいって…言ってて、」
涼太「ここで？」
どう、なんだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 122人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：叶夢 | 作成日時：2021年3月30日 2時
