幸せ7 ページ8
私がいま担当している患者さんの中にとってもヒーロー好きな男の子ひろくんがいる
ひろくんはNo.1ヒーローデクが大好きで個性もヒーロー向きなのでデクに継ぐNo.2になるのが夢らしい
でも、ひろくんの病気は極めて成功確率の低く成功例はあまり無いという手術を受けなければこの先も生きていくのは難しいというもの
ひろくんは、手術が怖いのだ
それは当たり前だと思う
そんな子のカウンセリングも看護師の仕事の一部だと私は思う
ひろ「僕、生きていられるのかなぁ……」
『ヒーローデクが好きなんだよね？私さ、デクとお友達なんだ。』
ひろ「えー？嘘だぁ！」
『ほんとだよ。写メ見る？』
信じてない様子のひろくんに前、多分酔っ払った勢いで一緒に撮った写真を見せる
ひろ「ホントだ！良いなぁ！僕もデクとお友達になりたい！」
『じゃあ、手術頑張ろ！あの先生なら、ひろくんを助けてくれるよ！で、手術が成功したらデクに遊んでもらおう！』
ひろ「うん！」
病は気からと言うがそれは事実
病院にずっといる、特に子供たちは気分が下を向いてしまうことが多い
でも、気分が上を向けば向くほど自分自身の治癒力が活性化し、手術中の出血量を抑えるなどの効果があるのだ
家で出久くんにその事を話したら僕でよければ！と快く承諾してくれた
手術当日
僕、頑張ってくるよ！と眩しい笑顔で言っていたひろくんはもう居ない
手術は失敗しひろくんは亡くなってしまった
医療関係者は人を救えるとともに人の死にも向き合っていかなければならない
亡くなったひろくんの手の中には、デクの小さなストラップが握られていた
泣いてはいけない
私たち以上に家族の方がつらいのだ
デクに会わせてあげるなんて言って結局会わせてあげられなかった
手術室に持っていくほど好きだったのだ
手術の前に会わせてあげればという後悔が私を襲う
今の私は、あの憧れた看護師さんのような笑顔で対応はできていないと思う
先輩「A！いつまでも引きずらない！」
多分、他の患者さんにも看護師の不安などが伝わってしまうことを注意してくれたのだろう
それでも、担当している患者さんが亡くなってしまうのは初めてで、心の整理がつかないのだ
先輩「A、今日は帰っていいよ。明日も休んでいい。ちゃんと家で整理してきて、明後日からまた頑張ろ。」
『すみません。ありがとうございます……』
家までの道のりはとても長く感じた
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あずさ - とってもいい話です！更新頑張ってください！待ってます！ (2020年5月7日 17時) (
レス) id: 3dd21b231d (このIDを非表示/違反報告)
たー - 続きがきになります！！ 更新頑張ってください (2018年5月9日 7時) (レス) id: 1e9a74621f (このIDを非表示/違反報告)
れみ(プロフ) - 魔夜さん» ありがとうございます！更新頑張ります (2017年9月26日 12時) (レス) id: 6b248442e2 (このIDを非表示/違反報告)
魔夜 - 続き気になります (2017年9月26日 12時) (レス) id: ae2355b44c (このIDを非表示/違反報告)
れみ(プロフ) - シーカラさん» そう言ってもらえて嬉しいです！更新頑張りますね！ (2017年9月13日 18時) (レス) id: 6b248442e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れみ | 作成日時：2017年6月18日 12時
