246話 ページ49
久し振りに二人揃って出社した
最近はずっと別々に来ていたから、まぁ寂しい事は寂しかった
そんな若干嬉しい気持ちで出社してドアを開けたら如何だ
「一寸面貸しな、A」
「………」
与謝野さんが悪魔の笑みを浮かべ、仁王立ちして私の事を待っていたのだ
朝っぱらから心臓に悪いよ
「えっと………其れは朗報?それとも説教?」
「自分の胸に手を当てて聞いてみるんだねェ」
「あっ、説教だ………」
待て待て待て
私何も悪い事してない
心当たりも無い
えぇー
与謝野さんでしょ?
健康的な問題?
睡眠はちゃんと取ったよ
御飯も女子の皆さんで昨日食べたし
未だ社の入口付近で立って考え込んでいる私に痺れを切らしたのか、与謝野さんは溜め息を吐いて、携帯の画面を見せてきた
「妾が云いたいのは此れだよ…」
「あっ………」
其の画面には
昨日の夜の私が居た
然も丁度お酒が私の前に置いてあって煙草を吸っている時だ
角度的に犯人は彼の人のしか居ない……
「ねぇ太宰さん、一寸だけ面貸して下さい」
「んー?何で?」
自分の椅子に跨いで座って、背凭れの辺りに肘を置いて満面の笑みで此方を見ているのだから矢張り此奴が犯人で間違いない
「何撮って呉れてるんですか、然も何故与謝野さんに送っちゃうんですか」
「否、私は与謝野女医ではなく乱歩さんに送ったのだよ?」
「仲良しですか。てか乱歩さんに送った時点で駄目ですよ。彼の事だから面白がるか怒って与謝野さんに報告するのは目に見えてるんですから……」
「おや、佳く判っているじゃないか」
「もう諦めなA」
今日、乱歩さんが居なくて良かった
多分此の場に居たら今の数倍は責められる
うん、密告したのはアレだけどまぁ良かったよ
でもね、私は聞き逃さなかったよ
奥の方で誰かが机に強く頭を打って
誰かがお茶を吹き出して
万年筆の様な物が折れる音を
私は聞き逃さなかった
「嗚呼、私終了のお知らせですね………グッパイマイライフ……」
「何莫迦な事云ってンだい。あのね、妾は医者としてアンタの健康を気遣って云ってるンだよ。」
「はい……」
本気で心配してくれてるんだと目を見て判った
その真っ直ぐな目から目を逸らして俯く
「未成年の内から煙草と酒は駄目だ。成長過程で肺と肝臓を駄目にして如何するンだい……」
うっわ
正論
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のんのーー(プロフ) - まてぃーにさん» 月が綺麗ですねに合わせて考えてみてください(´∀`) (2017年11月12日 6時) (レス) id: c41abcf11d (このIDを非表示/違反報告)
まてぃーに - お前と居た日々の月は呆れるほど綺麗だったって台詞の意味って何ですか? (2017年11月7日 22時) (レス) id: b5598157a4 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - 告白のノリがめちゃくちゃ面白くて大好きです!夢主ちゃんおめでとう(>_<)のんのーーさんも頑張って下さい\(^o^)/ (2017年7月29日 13時) (レス) id: c10de46325 (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - 「「いえーい」」超好きです。応援してます! (2017年7月29日 0時) (レス) id: 7a55d8e4db (このIDを非表示/違反報告)
小松七 - やっとくっつきやがった!!と、云う気持ちでいっぱい。頑張ってください。いつまでも応援しています。 (2017年7月28日 23時) (レス) id: 69007943fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のんのーーー x他1人 | 作成日時:2017年6月28日 22時