目が覚めたら水の中でした 5【文豪ストレイドッグス】

245話 ページ48

人間は目を瞑っていても光を感じる


其れが今だ


窓からの光で目を覚ました




隣を見れば寝てる太宰さんの姿があった





「太宰さん、起きて下さい。てか何で抱き枕が私になってるんですか、離れてくれなきゃ社に行けないんですけど……」





背中を叩いても返答無し


聞こえてくるのは規則正しい呼吸音だけ





あと一応云おうか




顔がめっちゃ近いんだよね


もう後ろから誰かに押されればキス出来る位





「太宰さん、起きて下さいよ」


「んぅ……」





揺さぶっても起きない


仕方無いから脱出しようと試みる




腕の隙間で身体を捻れば上手く出れる気がする




そう思い遣ってみると………





「ぐえっ…………」





力がより一層強くなった



もう起きてるだろ此の人






………脱出は諦めよう



何をやっても無駄だと感じて太宰さんの顔を観察する事にした





無造作に生えている髪



長い睫毛



綺麗に通っている鼻筋



何故か物凄く柔らかかった唇





凡てを指で擦った





「擽ったいよ、A」





そしたら目がパッチリの明らかに寝起きではない顔の太宰さんが私の手首を掴んでいた



この男、矢張り起きていたか





「御早う御座います太宰さん、良く寝れましたか？」


「嗚呼、Aのお陰でね」


「其れは良かったです」





この至近距離で普通に会話を済ませる


会話が終われば手首から手を離してくれた




でも抱き枕状態なのは変わらない





改めて見て彼の顔を見る



美青年の他に何と例えたら良いのだろうか




美青年？イケメン？


兎に角凄い




ていうか元々此の世界の人達はイケメンなんだよ美青年なんだよ


羨ましい限りだ





「そんなに見て如何したの？真逆私に見惚れてた？」





あまりに長い時間彼を見ていたらしく、聞いてきた


かの有名な芥川ポーズをし乍ら聞いてくる辺りは流石だ





「そうですね、あまりに格好良いものだったので見惚れてました」


「そんな恥ずかしがらなくても…………………えっ？」





あ、力が抜けた



今なら抜け出せるな





固まった彼の腕を解いてその場から出る




えっと、先ずはお風呂の準備をして


それからご飯を作る……



作り終わったら洗濯かな？


否、もう少し洗濯物が増えてからにしよう





んで、食べ終わったら支度をする


良し完璧





「ちょ、ちょちょちょ！」


「何ですか？」


「朝から心臓に悪い……」






昨晩の私も同じでしたよ

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