目が覚めたら水の中でした 5【文豪ストレイドッグス】

230話 ページ33

其の翌日


何時も通りの時間帯に朝起きたら珍しく太宰さんが居なかった




昨日あんな事があったから居ないのかな


だって男性陣の急所である部分を力の限りではないけど蹴ったからね



まぁ此れと云って気にする事もなく私も太宰さんが行ったであろう探偵社に向かったのが今朝の事







そして今、探偵社の扉の前に立っている





何だかなぁ、違和感っていう訳じゃないんだけど何かある気がするんだよな


其の違和感を頭の隅に片して中に入る





「お早う御座います」


「あっA、君にお客さんだよ」





視界に真っ先に入ってきたのは太宰さんだった


そして皆さんもお早うと挨拶をして呉れた





「矢張り来てたんですね太宰さん。明日は槍が降るのか……」


「非道くないかい？」


「いえ、別にそんな事有りませんよ」





ねぇ？と聞けば近くに居た敦と鏡花さんが頭を勢い善く振っていた



此の二人って兄妹みたいだよね





あ、私に客人が居たんだっけ





「んで、其の客人とは？」


「嗚呼、今は応接間に………」


「おぉー！真逆とは思ったが本当にこんな処に居るとはなぁ！」


「……………」





嘘だろ



滅茶苦茶聞き覚えのある声がした


きっと社の皆さんは誰も知らない人物



そして私だけが知る人物





ほら見ろよ、皆キョトンとしてる


しかも彼奴は耳が無駄に善いから応接間から態々出てきた




態とらしく両手を広げて私に近付く





私の目の前に来た瞬間に腕を掴み投げてきた






「「！？」」






一本決まると思ったか？



ハッ、笑わせて呉れるな





投げられた体制で足を上手く地面に着けて身体を捻り其の勢いを使って






「うおっ！？」






逆に相手を地面へ一本投げてやる



其の上に跨いで馬乗りし、額に銃を突き付ける




周りは静まり返り、唯々此方に視線が集まるのが手に取るように判る





「うっわぁ〜……せめて安全装置(セーフティ)は外して欲しかったぁ」


「随分な事を抜かすな。途端に仕掛けるというのは善い発想だが、お前は詰めが甘いんだよ。弐の手参の手を考えろと前も云った筈だが？」


「「！？」」






私が皆の前で敬語を崩したのは初めてだった



だから皆吃驚している


そらそうだ




しかも字を書く時に筆を出すかのように銃をさらりと出したから尚更だろう






あー、あの時の違和感は此れか






中々の厄介事だな




此処の世界(主に私)は毎日祭り騒ぎか

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