228話 ページ31
そんなこんなで仕事を終わらせて何処と無く久々に思える我が家に帰った
扉を開けたら太宰さんの香りに包まれて頬が緩んだのは気の所為ではない
其れで中に入ったら「お帰り」だなんて云われるものだから此方も「只今です」と返答した
何だか擽ったい
そして私は記憶が無い間は一緒に暮してなかったのか部屋は酒の瓶が転がり放題であった
掃除もしていなかったのか多少埃があって、其れ等をちゃんと二人で片付けた
其の時に見付けた空の蟹缶が大量にあったのは見なかった事にした
今は其れ等が終わってお風呂に入り終わって二人で寛いでいる
私は座っているのだが太宰さんに後ろから抱締められ乍ら座っている
まぁお互いに此れが楽だから何も気にしてなどいない
てか慣れた
「ねぇA」
「何ですか？」
「先刻から思ったのだけど細くなった？」
太宰さんから発せられた言葉に固まってしまった
思考すらも止まった
太宰さんが私の目の前で手を上下に振って呼び掛けて呉れてるがそれすらも頭に入らない
「太宰さん………」
「ん？」
「体重計は此の家に存在しましたか」
「脱衣所に有るけど………えっ、そんなに深刻……？」
ちょっ、A！？
驚いたような声が聞こえるがそんなの気にせずに太宰さんの腕から抜けて全速力で脱衣所に向かう
着いた瞬間に下着姿になって体重計に乗る
乗ってみたら
確かに減っていた
「A！？…………わぁお、素晴らしい格好だね」
私の様子に慌てて追いかけ来たのか太宰さんが来た
下着姿だが今は果てしなく如何でも良い
詰り、太宰さんがニヤけて写真撮っていようが如何でも良いのだ
「だ、太宰さん、如何しましょう……」
「如何したのだね？」
「体重が落ちてました……」
「本来女性なら嬉しいのでは？」
自分でも判る程ショックを受けていた声であった
それに太宰さんは不思議そうに聞いてきた
そう、太宰さんの云う通り本来なら嬉しい出来事なのだ
唯、私の場合は別で
「私の体重………平均体重を下回ってます………」
「其れは拙い」
太宰さんが返答するのに掛かった時間は無かった
此の恐怖が判るか？
与謝野さんか中也さんにバレた瞬間に幾ら拒否しようとも口から溢れそうになる程ものを食わされる
翌日は必ず工合が悪くなる
恐怖でしかない
太宰さんは優しい方だと心の底から思う瞬間だ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 661人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のんのーー(プロフ) - まてぃーにさん» 月が綺麗ですねに合わせて考えてみてください(´∀`) (2017年11月12日 6時) (
レス) id: c41abcf11d (このIDを非表示/違反報告)
まてぃーに - お前と居た日々の月は呆れるほど綺麗だったって台詞の意味って何ですか？ (2017年11月7日 22時) (レス) id: b5598157a4 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - 告白のノリがめちゃくちゃ面白くて大好きです！夢主ちゃんおめでとう(>_<)のんのーーさんも頑張って下さい＼(^o^)／ (2017年7月29日 13時) (レス) id: c10de46325 (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - 「「いえーい」」超好きです。応援してます！ (2017年7月29日 0時) (レス) id: 7a55d8e4db (このIDを非表示/違反報告)
小松七 - やっとくっつきやがった！！と、云う気持ちでいっぱい。頑張ってください。いつまでも応援しています。 (2017年7月28日 23時) (レス) id: 69007943fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のんのーーー x他1人 | 作成日時：2017年6月28日 22時
