目が覚めたら水の中でした 5【文豪ストレイドッグス】

220話 ページ23

「一体何をしているんだい！？」


「え、此処から出ようと」


「何で！？」


「だって今の時間は遅刻ですし、国木田さんに怒られるし、“敦”に頼まれ事があった気がして……」


「！」




太宰さんは驚いたような顔をしてから私をキツく抱き締めた



そんな事よりも時間がヤバい




「太宰さん仕事！」


「………」


「ちょっ、苦しい苦しい！！」





背中を強く何度も叩けば渋々というように離した


何でそんな残念がってるんだよ



太宰さんに深呼吸するように云って落ち着かせた





「如何したんですか……」


「嬉しくてつい……思い出したのだね」


「思い出した？何をです。」


「はっ………？」





否、此方の台詞なんですけど


何でそんなに焦った声出してるの




「えっ、えっ？えっと、君の名前と性別と年齢は？」


「何ですか今更…………
私の名前は東野A、女で18歳です」


「！合っている………じゃあ私は社で君の何？」


「私の善く頭が回る上司ですよ。それに元ポートマフィアでしかも最年少幹部」


「矢張り……という事は………」





何を先刻から小さく呟いている


一体何の話だ



私の自己紹介とか訳が判らない




「君が記憶を失っていた時の記憶は無いと云う事だね」


「記憶を失ってた？何ですかそれ」


「否、何でもないよ」


「そうですか……」




ふと部屋の中を見渡した


太宰さんの斜め後ろに坂口さんが居ることに今気付いた



坂口さんが居る


恐らく高層であろう建築物に居る



という事は





「異能特務課だったか………」


「はぁ……貴女が起きない間に太宰君がどれ程そわそわしていて、それで僕の仕事が捗らずに居たか……」


「一寸安吾！？」


「寝起きに説教と愚痴は辛いです坂口さん……」




大きく溜息を吐かないで下さい


なんか傷付く




そう思っていたら腕を掴まれて引っ張られた





「じゃあ世話になったね安吾！」


「此所まで散らかして後は此方に放り投げるんですか！！」


「あははー！」


「うわっ、済みません坂口さん！何時か愚痴は聞きますので！お世話になりました！！」






太宰さんに引っ張られて転けそうになるが慌てて立て直して足を動かし、太宰さんに合わせて走る





その侭部屋の外へ





「コラっ！嗚呼もう………はぁ〜……」





後ろから怒った坂口さんの声と深い溜息が聞こえた



それが聞えたのかは知らないが太宰さんが嬉しそうに笑っていた




態とだろ

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