ダメか… ページ27
｢あ、相葉く…｣
終わったら声かけようなんて、失敗だった
話しかけようとしても私の声が小さすぎて届いてないし、席が遠いから声をかけるタイミングすらない
｢二次会のカラオケ行く人〜｣
気付けばもう打ち上げは終わる頃で二次会の話をし始めている
｢…完全にタイミングを逃した｣
｢あんだけ人に囲まれてるしね｣
ただでさえ人気者なんだ。彼の周りにはいつも人が集まる
｢…まさか、ここで怖気付いて"二次会のあとにする〜"とか言い出さないよね｣
｢う"っ｣
バレてるよ…和には全部バレバレだよ
｢ちょーっと声かければいいだけじゃん｣
｢いや、それがね｣
いつまでもうじうじしてる私に、和は半分呆れ返っている
｢あれ、相葉さん見失った｣
和の言葉にさっきまで相葉くんがいたところに目をやる
ほんとだ。さっきまで輪の中心にいたのにいつの間にか違う人に変わってる
｢(まさか、帰っちゃった！？)｣
どうしよどうしよ、と和に縋るもどうもできん、ってズバッと言われてしまった
私がうじうじしてるから…
という完全なネガティブ思考に入ろうとした時
グンッ、
｢へ、｣
後ろから腕を少し引っ張られてまぬけな声が出る
そのまま後ろを振り返ると
｢あ、相葉くん！？｣
帰ってしまったかと思っていた相葉くんが私の後ろに立っていて
｢しーっ。｣
悪戯っ子みたいな笑顔を浮かべて私の腕をカラオケとは反対方向に引っ張る
｢相葉くん、こっちカラオケじゃないよ！？｣
｢知ってる｣
相葉くんの意図が分からなくて、ただ、ずんずん進んでいく彼に小走りで着いていく
｢どこか行きたいとこあるの？｣
掴まれている部分が熱い
何か話していないと気がおかしくなりそう
｢うん。｣
.
｢翔ちゃんと行きたいんだ｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：秋 | 作成日時：2018年5月12日 16時
