episode3 ページ1
｢やだー！無理ー！！｣
｢駄々こねないでじっしとして！｣
｢無理だってばー！｣
残暑も過ぎ、朝晩がだいぶ冷えてきた9月末
あと1ヶ月で新人戦です
｢和ーこんなことしても意味無いよ？｣
｢あるの！だいたい、自分の言ったこと分かってるの？｣
(グサッ)
｢酷いこと言ったんだから！｣
(グサグサッ)
…そう、今から約2ヶ月前
バスケ部の合宿の時、私は酷いことを口走ってしまった
｢よくもまぁ、好きな人に"もう話しかけてくれなくて大丈夫だから"なんて言えましたねぇ！｣
ﾋｲｲｲｲｨｨｨｨ!!(゜ﾛ゜ﾉ)ﾉ
敬語の和は怖いよ…( ﾟдﾟ )ｶﾞﾀｶﾞﾀｯ
｢…だって、｣
｢…未練タラタラのくせに｣
…あの後、相葉くんに酷いことを言ってしまってから話すことはなくてそのまま合宿が終わった
夏休み中の練習も、
夏休み明けてからの部活でも、
廊下ですれ違っても、
今の今まで話してない
｢…そろそろ行動起こさないとこの先、一生話せなくなるよ？｣
｢…そうなんだけど｣
｢ま、そのために今こうして翔に変身してもらってるんだけどね！｣
そう、私、人生で初めてメイクしてます
事の発端は真琴で、
合宿終わりに真琴に電話した時
.
.
｢あちゃー、あんたそんなこと言っちゃったの？｣
｢…うん｣
合宿であったことを全部話し終わった時、
｢その相葉雅紀って、髪長くて可愛らしい子がいいんでしょ？｣
｢…そうらしい｣
｢だったらさ、翔も髪伸ばして可愛らしくしたら？｣
｢え！？｣
｢もうさ、身長は縮めること出来ないんだからあとはやれることをやってみたら？｣
｢え！？いや、急に言われても…。それに相葉くんとはもう話さないって決めてるし…｣
｢はあ！？何言ってんの！こんな電話まで寄越して、翔がそんな簡単に諦められるわけないじゃん！｣
｢なっ、わかんないじゃん！｣
｢わかるわ！｣
｢…｣
ぐぅの音も出ない
｢…翔さ、女バスに友達いないの？｣
｢え、いるけど…｣
｢じゃあ、ちょっとその子のLINE教えて！｣
｢え、え！？急に！？｣
｢いいから！｣
…そんなこんなで、和と真琴が友達になって(最初は和も戸惑ってたんだけど)、本当に真琴が言ったことを実行することになった
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作者名：秋 | 作成日時：2018年5月12日 16時
