22話 ページ22
朝になると恒例の会話。
私の隣の席に座る亮平は体ごとこっちに向けて話しかけてくる。
阿「今日は見学来るよね？」
雨で帰った次の日から言われて今日までのらりくらりとかわして来たこの質問に、今は堂々と答えられる。
「私、文芸部に入部した」
予想していなかった答えなのか、目をまん丸にする亮平。
それがちょっと可愛らしく見えたのは言えない。
阿「えっ…もう決めたの？いつ？」
「昨日。だからもう見学は出来ない。ごめんね」
阿「そう…じゃあ仕方ないね。てか、小説とか書くの？」
「うぅん、読むだけでもいいんだって。感想文書かなきゃだけど、それくらいなら書けるし」
阿「懐かしいな読書感想文、夏休みの宿題でよくやったよね。Aが大きい賞取ったときはびっくりしたな」
「え、そうだっけ？」
全く覚えてない。
亮平が言うってことは小学生の頃の話だけど、そんな記憶ない。
亮平は必死に思い出そうとする私の顔を見てクスクスと笑った。
阿「そうだよ〜忘れちゃった？お祝いもしたのに」
「……ごめん」
阿「あはは、いいって。Aの好きなアイスあげただけだし。でも凄いよね、毎年とってたよ」
「よく覚えてるね、亮平。頭良いからかな」
阿「よく言うよ、頭良いのはAの方でしょ」
思い出話をする亮平は、昔よく見た顔をする。
イタズラっぽい、無邪気な笑い方。
懐かしい記憶と共に、最後の告白シーンまで蘇った。
『ごめん。Aのことは好きだけど、それは友達としての好きなんだ』
『いや、もう今まで通りは無理だよ』
あの日の亮平と目の前の亮平が重なって、今こうして話してるのが不思議になった。
一度友達じゃなくなった私たち。
じゃあ今は、友達と呼んでいいのかな？
阿「……どうした？A、具合悪い？」
「……大丈夫、ごめん」
私たちの関係ってなんだろう。
幼馴染み？友達？クラスメイト？
…やっぱり亮平は、あの告白のことを忘れてる？
グルグル思考を打ち切るように、始業のチャイムが鳴った。
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chaco(プロフ) - 永瀬優さん» 数ある中で読んで頂きありがとうございます（ ; ; ）永瀬さんもご自愛ください。更新頑張るのでこれからもよろしくお願いしますm(._.)m (2020年4月8日 23時) (
レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
永瀬優 - お話読ませていただきました 体調に気をつけて更新頑張ってください！ 応援しています！ (2020年4月7日 22時) (レス) id: fba5318eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スゴイピーマン | 作成日時：2020年4月2日 22時
