3話 ページ3
母「そういえば亮平くん、お昼は食べた？」
さすがに部屋に逃げるのは感じ悪いかなとリビングで荷解きの続きをしながらも会話には参加していなかった私。
阿「いえ、まだです」
母「引っ越し蕎麦あるのよ！良かったら食べていかない？」
阿「いいんですか？じゃあ、お言葉に甘えて」
だからこの流れるような会話にストップをかけることができなかった。
当たり前のようにソファに座る亮平。
昔と同じ位置にいるのに、なんだかソファが小さく見える。
しかし馴染み方が尋常じゃないな。
「私、部屋行くね」
お母さんが台所に行き2人きりになってしまったので、気まずくなる前に退散する。
阿「あ、久しぶりにAの部屋見たい」
………はずだったのだけど。
「いや、なんもないからつまらないよ」
母「あらいいじゃない。お昼もう少しかかるから2人で思い出話とかしてきなさいよ」
余計なことを…！
阿「ほら、いこ」
必死の抵抗虚しく、
半ば強引に押される形で渋々二階の自室に入る。
小6で引っ越したときに荷物はほとんど持っていってしまって、今は布団の敷いていないベットがあるだけだ。
「なんもないね」と言って亮平はそこに座った。
カーテンすらない部屋は午後の光をたっぷり吸い込んで温い空気が肌に絡む。
「窓、開けるね」
埃っぽかったから空気を入れ替える。
春のあったかい風が頬を撫でた。
阿「なんかあれだね、狭く感じるね」
ポツリと独り言みたいに呟く。
「まあ、小6と高2じゃ、お互い大きくなったよね」
それに独り言みたいに返す。
阿「そうだね、A、大人っぽくなったね」
「そっちこそ」
亮平の顔は見えないけれど、そう？と言う顔は笑っているような気がした。
あれから随分と時間が経ったけれど、
話すときの空気は変わらないものだなと
少しだけほっとした私がいた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chaco(プロフ) - 永瀬優さん» 数ある中で読んで頂きありがとうございます（ ; ; ）永瀬さんもご自愛ください。更新頑張るのでこれからもよろしくお願いしますm(._.)m (2020年4月8日 23時) (
レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
永瀬優 - お話読ませていただきました 体調に気をつけて更新頑張ってください！ 応援しています！ (2020年4月7日 22時) (レス) id: fba5318eb6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：スゴイピーマン | 作成日時：2020年4月2日 22時
