20話 ページ20
前の学校では、バドミントン部だった。
でも特別バドミントンが好きだったわけじゃなくて、クラスで最初に仲良くなった子に誘われて流されただけだけど。
楽しいことに変わりはなかったけど、かと言ってもう一度入るかと聞かれれば首を縦に振るのを躊躇してしまう。
この学校にもバドミントン部はあって一応覗いてはみたけれど心が惹かれることはなく、すぐに離れた。
昔は体を動かすのが好きだったけど、今は家にいてゴロゴロしたい欲が強まってきたから、やっぱり入るなら文化部がいい。
先生に貰った部活一覧を手に校内を歩き回る。
さすが部活動に力を入れてるだけあって数も多い。
「人が少なくて…女子が少なくて…」
亮平を知る人がいない空間。
私を西山Aとして接してくれる人。
もうそれだけで良かった。
歩いていくと、いつの間にかいつものお昼を食べる空き教室に行き着いてしまった。
今は放課後。
けれどその中には人影があった。
初めてこの教室に人がいるところを見た。
手元の部活一覧表を見れば［文芸部］と書いてある。
こっそり中を伺えば、5人しかいない。
女子は2人。
皆机に向かって本を読んだり何か書いたりしている。
見ることに集中していたら、近くの席に座ってた人が私の存在に気付いた。
？「あの…どうかされました？」
「あっ、その、…見学したいんですけど…」
綺麗な人だった。
いや、男の人に綺麗は変かな。
でもその儚さは綺麗としか言いようがなかった。
私は普通のことを言ったつもりだったけど、その人はおかしそうに笑った。
？「あは、見学って言ってもつまんないと思いますよ？うち文芸部だし…本、好きですか？」
優しそうなその人に安心して、思わず頷く。
本が好きなら、ここにいてもいいみたいだ。
彼は自分の隣に座るように私を促した。
言う通りに椅子に座る。
？「君、1年生？」
「あ、いえ…先週転校してきたばかりで」
？「あぁ…そうだったんだ。前の学校には文芸部ってあった？」
「どう…だったかな。ごめんなさい」
？「謝らなくていいよ」
近くに来て見てもやっぱり綺麗だと思った。
サラサラな黒髪を耳にかける仕草が様になる。
私たちが会話しても他の部員たちはこちらに興味がないのか、自分の世界に没頭している。
いいな、と思った。
？「うちは基本的に本読んだり、小説書いたりが主なんだ。自由度は高いからオススメだよ」
そう言って先程まで読んでた本を見せてくれた。
とても難しそうな本だった。
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chaco(プロフ) - 永瀬優さん» 数ある中で読んで頂きありがとうございます（ ; ; ）永瀬さんもご自愛ください。更新頑張るのでこれからもよろしくお願いしますm(._.)m (2020年4月8日 23時) (
レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
永瀬優 - お話読ませていただきました 体調に気をつけて更新頑張ってください！ 応援しています！ (2020年4月7日 22時) (レス) id: fba5318eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スゴイピーマン | 作成日時：2020年4月2日 22時
