18話 ページ18
翌日も朝から雨だった。
家を出るときには土砂降りだった雨も、お昼頃になると嘘みたいに雲がなくなって青空を覗かせていた。
そして今日も今日とて、空き教室の席でお弁当を開く。
まだ翔太は来ていなかった。
「いただきます」
待つ約束なんてしてないので1人でも気にせず食べ始める。
静かだ。
まだ転校してきてからこの教室で授業したことないけど、あんまり使われないのかな。
お昼休み始まってすぐ来ても、誰かに会ったことがない。
まあ時間割りの関係かなにかだろう。
そんなことを考えながら黙々と食べ進め、大好きな唐揚げに箸を伸ばしたそのとき。
翔「お、うまそ。もーらい」
「あっ…あー！」
翔「お前の母さん料理上手いなー」
油断した隙に後ろから襲われた私の唐揚げ…一個しか入ってなかったのに…
立ち上がってもぐもぐと動く口元を名残惜しく見つめてしまう。
「ちょっと！もう自分でご飯持ってくるんじゃなかったの！？」
翔「そうだけど、お前のを食べないとは言ってない」
「なっ……！屁理屈…！ていうかお前って呼ばないでよ！せっかく名前知れたのに」
悪気なくヘラリとしてた翔太は「名前…？」と頭にクエスチョンマークを浮かばせて首を傾げた。
まさかとは思うけど…いや思いたくないけど…
「昨日、私の名前聞いたよね？」
性格には自己紹介してないけど、話の流れで知ったよね？
けど、目の前の彼は本当に思い出せないのか目をつぶって腕を組みうーん、うーん、と唸ったあと
翔「なんだっけ、名前！」
と目を見開きそれはそれはもうあっけらかんとした表情で言い放った。
ショックとかよりもちょっと引いた。
翔「逆に俺の名前知ってんのお前」
「翔太でしょ」
翔「えー！なんで知ってんの！？」
「昨日亮平が言ったじゃん！」
なんだろう、同じ空間にいるのに違う次元にいるような感覚。
力が抜けて椅子に座り込んだ。
そうですよね、私地味だし。
どうせ私が輝いてたのは小学校までですよ。
翔「あ〜そうなんだ。てか気になってたけどさ、お前ら付き合ってんの？」
「誰と誰が」
翔「阿部ちゃんとお前」
「………あり得ないから」
翔「でも転校初日で友達いないのにお互い呼び捨てって、まさかお前いきなり告白を」
「してない！！」
思わず本日2度目の立ち上がりで、勢い余って椅子を倒してしまった。
だけどそんなのどうでも良くて。
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chaco(プロフ) - 永瀬優さん» 数ある中で読んで頂きありがとうございます（ ; ; ）永瀬さんもご自愛ください。更新頑張るのでこれからもよろしくお願いしますm(._.)m (2020年4月8日 23時) (
レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
永瀬優 - お話読ませていただきました 体調に気をつけて更新頑張ってください！ 応援しています！ (2020年4月7日 22時) (レス) id: fba5318eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スゴイピーマン | 作成日時：2020年4月2日 22時
