11話 ページ11
？「あんたさぁ………俺の睡眠の邪魔したいわけ？」
心底嫌そうに言う彼は、もうお決まりの位置になってしまった席でご飯を食べる私を見て、扉の前で立ち尽くしていた。
「ここでご飯を食べたいだけです。静かにしてますので、どうぞお気になさらず」
？「いや、気配があるのが………あぁ、いいやもう」
反論しようとして、全く動じていない私を見て諦めたのか言いかけた言葉を飲み込んだ。
この前みたいにガシガシと頭を掻いて、彼もお決まりの位置で椅子を並べて寝床を作り始める。
それをご飯を食べながら眺める私。
奇妙な関係は、今日で1週間になる。
寝転がった彼はすぐに黙って、耳をすませば寝息が聞こえてきた。
気配がどうとか言うけれど、なんだかんだ爆睡してるので私も遠慮なく居座れるのだ。
開けておいた窓から入る風が頬を撫でる。
のどかだなぁ、としんみりしてしまうのは、教室の居心地の悪さのせいだ。
亮平は相変わらず私に話しかけてくるから、女子の反感を買って未だに友達がいないし、なんなら
「阿部くんさっきの授業で質問が………」『ごめんね、あとでね』なんて会話の後私にどうでもいいことを聞いてきたりする。
そりゃ好きな子たちはいい気はしないだろう。
きっと今までは優しく勉強を教えてくれた阿部亮平くんが、突然1人の女を贔屓しだしたのだから。
しかも、途中から現れた見ず知らずの転校生に。
「なんで分かんないんだろう………」
そしてこの前のあれだ。
『え、もう友達出来たんだ………？』
え、シンプルに失礼じゃない……？
そんな驚かなくても良くない……？
もう何がなんだか私にも分からなくて、寝ている彼のように頭を思い切り掻き回したくなってしまう。
でも1番やっかいなのはそこじゃなくて。
無神経な亮平のことを、完全に嫌とは思えない私がいることだ。
あの日捨てたはずの想いを、まだ胸の中に隠していた自分が憎い。
だから今こんなぐちゃぐちゃな感情でお昼を1人寂しく食べるはめになってるのだ。
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chaco(プロフ) - 永瀬優さん» 数ある中で読んで頂きありがとうございます（ ; ; ）永瀬さんもご自愛ください。更新頑張るのでこれからもよろしくお願いしますm(._.)m (2020年4月8日 23時) (
レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
永瀬優 - お話読ませていただきました 体調に気をつけて更新頑張ってください！ 応援しています！ (2020年4月7日 22時) (レス) id: fba5318eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スゴイピーマン | 作成日時：2020年4月2日 22時
