何話してたんだよ ページ10
このままだと私も荼毘さんも話ができない。それは困るとふたりの会話に割って入って、爆豪くんに向き合う。
説得を試みても彼はうなずかない。
「テメェが死んだら流石に夢見がわりぃんだよ」
「だぁから、私は大丈夫、強いから！ばく……かっちゃんは先に帰ってて！」
「素でかっちゃん呼びしてんじゃなくてわざわざ治してまでそう呼ぼうとしてんのむかつくんだよやめろ！」
「帰ってくれるならやめたげる」
「危機管理能力死んでんのか、帰るならテメェも連れて帰る。」
彼はこうやってキレていても頭の芯の部分が冷静なんだろう。ブチギレさせて帰そうとしても失敗に終わる。
私はまた小さくため息をついた。
「“爆豪くん”、帰って。」
彼が私を心配してくれている事はわかっている。ここに連れてきたのも結局私の意思だ。
だからこそ、個性を使う前に爆豪くんには帰ってほしかった。悪いなと思いながらも個性を発動して彼の腕をひっぱる。
「帰らねぇって言ってんだ、ろォ？！？！」
ぐっと突然引っ張られて、よろけかけた所に更に靴ひもを踏んで私の胸元へ飛び込んでくる。
鍛えている彼が女子の力でよろめくなんて、普段からは想像もつかないミスだろう。
まさしく、個性があってこそ成せる技だ。
パシャッ。
「何すんだてめぇ!!!!!」
「撮っちゃった♡」
今まで爆豪くんは散々私を追いかけまわしてきたし、その彼が私の胸元に飛び込んで
顔を赤らめた、そんな写真が世間とまではいかずとも、高校内に流出したら彼の立場はどうなるだろうか。
プライドの高い彼のことだ、きっと耐えられないだろう。
「爆豪くん、もう一度言うね、帰って。私は本当に絶対に、大丈夫。この写真、クラスの皆に知られたくないでしょ」
完全に脅しである。
「……明日、説明してもらうからな」
「……わかった」
明日、何としても逃げよう。
「………ッはぁ…帰る」
何とか爆豪くんは納得してくれたようだ。最初からこうすりゃよかったな。
「おい」
「あ、やべ」
荼毘さんと話すために爆豪くんを帰したのに荼毘さんの事、忘れてた。
「随分とイチャついてたじゃねぇか、お前ら付き合ってんの？」
「いや加害者と被害者」
「なるほどな、爆豪も可哀想に」
「私が被害者ね」
「どうせ原因の大本はお前だろ」
「うっ…」
加害者＝私になるその思考回路は酷いだろうとも思うが、図星すぎた。
ぐうの音も出ないとはこの事だ。
「で、えっと、ご用は？」
「無理やり切り替えんな」
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ナナシ - すっごく面白かったです！読み切ってしまったのが残念に思うくらいです。心地よいドキドキ感が味わえて楽しかったです。絶対また読みます！ (2023年4月4日 2時) (
レス) @page40 id: d5c4f7e5a3 (このIDを非表示/違反報告)
素因数分解(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉明るくクスッと笑えるあなたの作品が大好きで毎日更新を心待ちにしていました。それがなくなると思うと少し寂しいです。凄く面白い作品です。お疲れ様でした🍵 (2023年3月26日 15時) (レス) @page39 id: 2687d60546 (このIDを非表示/違反報告)
はないかだ(プロフ) - タイトル回収！！しかもヒロアカアニメと同じタイミングとか！！！図ってましたか？？ (2023年3月18日 22時) (レス) @page32 id: d9e7127375 (このIDを非表示/違反報告)
春風いちご(プロフ) - トガちゃん可愛いっ！！尊すぎるぅ… (2023年2月26日 15時) (レス) @page22 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - コメント失礼します。先ほどTwitterをフォローさせていただきました。もしよろしければフォロバよろしくお願いします。この作品とても楽しみに読ませていただいてます。頑張ってください！ (2023年2月13日 14時) (レス) @page12 id: fd40c107eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燈 | 作成日時：2023年1月28日 11時
