安定の裏路地 ページ9
先ほどの喧嘩(？)とはわけが違い、肩の出火だ。なんだなんだ？と周囲はどんどん騒がしくなりだす。
荼毘さんは人が…と周りを見回した隙にサクッと行方を眩ませた。
とりあえず私もここを離れたいしな、と荼毘さんに会いに行こうとするが、足を一歩踏み出したところで何かに引っ張られ二歩下がる。
私を引っ張る人を確認して私はまたも「ﾜｧ」と声を漏らした。
何という事でしょう…。爆豪くんに止められたのである。
これは死……ママ、パパ、今までありがとう、アーメン。
心の中で感謝を述べてほろりと涙を流す。
「……何かなかっちゃん」
「てめぇさっきツギハギ野郎になんか言われてただろ、何言われたんだ」
呼び出し食らったなんて、言えるわけもない。
「一目惚れしましたアイラ―ビューって言ってた」
私がそう答えると、恐らくイラついたんだろう。爆豪君は手のひらを上に向け、パチパチと小さな爆破をしながら笑顔でこう言った。
「俺ァ嘘が嫌いなんだよ」
「ごめんなさい」
爆破するぞクソカス女と聞こえた気がした。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿
＿＿
「で、ご用はなんでしょうか…」
「その前に、だ。なんでそいつがいる」
「敵に会いに行くのにほいほい一人で行かせるわけにいかねぇだろうが」
「キレんなよ雄英生」
「キレてねェよ！！！」
マジで攻撃してきかねない彼を前に嘘などつけなかった。車の通りも多い街中で下手に個性を使えば“ドジ”で死んでしまう可能性だってあるだろうから、個性を使って逃げることもできない。
もっと言えば、爆豪くんにもう一度個性を使えば私はおそらく多分きっと確実に死ぬ。
だから今の会話にも、いやキレてるよね。とは口に出さないでおく。
「かっちゃんったら私の事大好きでどぉぉぉぉおおしても！ついていきたいってべったりだったの許して荼毘さん」
「言ってねぇわっざけんな！！」
「はっｗこんな奴のどこがいいんだよ」
「その言葉そっくりそのまま返したるわ！！」
爆豪くんって割と単純なんだよな、面白い。
私が笑っている間も言い合う2人。
売り言葉に買い言葉だろうか。バチバチしている二人を前に、逃げ出したくなる。
爆豪勝己という人間はこういう人だと知っていた。
荼毘さんも人を煽るのが好きそうだとは思っていたから。あと敵だから。やっぱりなんとか爆豪くんを撒くべきだったな…
「はぁ……」
私にしては珍しく、この時ばかりはでかいため息をつくしかなかった。
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ナナシ - すっごく面白かったです！読み切ってしまったのが残念に思うくらいです。心地よいドキドキ感が味わえて楽しかったです。絶対また読みます！ (2023年4月4日 2時) (
レス) @page40 id: d5c4f7e5a3 (このIDを非表示/違反報告)
素因数分解(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉明るくクスッと笑えるあなたの作品が大好きで毎日更新を心待ちにしていました。それがなくなると思うと少し寂しいです。凄く面白い作品です。お疲れ様でした🍵 (2023年3月26日 15時) (レス) @page39 id: 2687d60546 (このIDを非表示/違反報告)
はないかだ(プロフ) - タイトル回収！！しかもヒロアカアニメと同じタイミングとか！！！図ってましたか？？ (2023年3月18日 22時) (レス) @page32 id: d9e7127375 (このIDを非表示/違反報告)
春風いちご(プロフ) - トガちゃん可愛いっ！！尊すぎるぅ… (2023年2月26日 15時) (レス) @page22 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - コメント失礼します。先ほどTwitterをフォローさせていただきました。もしよろしければフォロバよろしくお願いします。この作品とても楽しみに読ませていただいてます。頑張ってください！ (2023年2月13日 14時) (レス) @page12 id: fd40c107eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燈 | 作成日時：2023年1月28日 11時
