閑話・参 ページ30
「短くまとめるのが恥ずかしい時だってあるんだよ乙女には…」
『乙女なんざどこにいんだよ』
「大概失礼だなこのばかっちゃん！……笑わないでよ？」
『誰がばかっちゃんだ！てめぇのつまんねぇ話で笑えるわけねぇだろーが』
悩んだ末、爆豪くんを信じることにした。一人じゃ何も解決できないのは分かっているから。
「……私は普通なのかな、と思いまして」
『てめぇを普通だっていうならこの世に変人奇人の類は存在しねぇ』
「それ結構な暴言だよ。そうじゃなくて、前に荼毘さんが法に触れること、倫理的に見て許されない事をしてたのに、それに対してなんの情も湧かなかったことなんだよ」
「私は他人が死んでも何とも思わない。周りの子が怯える状況でも、恐怖なんて感じない。最近になってようやく気付いたの。私、もしかして普通じゃないのかなって」
爆豪くんは少し考えているように感じて、ゆっくり彼の言葉を待つ事にした。
なんだかんだ言って優しいのは前に遭遇した時によく分かったから。
『……少し前、てめぇのダチが学校に来なかった日。慌てた様子で早退していくのを見かけた奴がいた。』
「え゛？」
『ダチが無断欠席したからって早退するくらい心配出来るなら、てめぇはただ他人と身内に対しての線引きが強いだけだろ』
「……ぁ。」
なんで知ってるん、なんて気持ちはどこかに消えて、爆豪くんがさらっと言った答えだけが胸の中にすとんと落ちて残った。
弔さんのヒーローに対する憎悪に私は付いて行くことが出来ないと思ったは、私の身内に対する思いがあって、それすら壊されてしまう事を無意識に危惧したから。
ヒーローに対しての情が薄いのは、私がヒーローに助けてほしいなんて思った事もなくて、興味の外の存在だったから。
「ありがとう、爆豪くん」
『悩み、解決したんか』
「うん、解決した！ありがとう、お礼言っても足りないくらいだけど、ありがとうかっちゃん！ちゅっ！」
『気持ちわりぃんだよ、つーか…誰がかっちゃんだコ(ブチッ)
最後の言葉は聞かなかったことにして電話を切った。
「こんな簡単なこと、なんで分からなかったんだろ。」
ズキｯと頭痛がして、答えが出てるしもういいやと、考えるのをやめた。
ない脳みそを使ったせいで頭が痛いぜ……と冷えピタを貼って寝た私が翌日冷えピタを剥がし忘れて登校したのは爆豪くんには秘密にしておきたい。
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ナナシ - すっごく面白かったです！読み切ってしまったのが残念に思うくらいです。心地よいドキドキ感が味わえて楽しかったです。絶対また読みます！ (2023年4月4日 2時) (
レス) @page40 id: d5c4f7e5a3 (このIDを非表示/違反報告)
素因数分解(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉明るくクスッと笑えるあなたの作品が大好きで毎日更新を心待ちにしていました。それがなくなると思うと少し寂しいです。凄く面白い作品です。お疲れ様でした🍵 (2023年3月26日 15時) (レス) @page39 id: 2687d60546 (このIDを非表示/違反報告)
はないかだ(プロフ) - タイトル回収！！しかもヒロアカアニメと同じタイミングとか！！！図ってましたか？？ (2023年3月18日 22時) (レス) @page32 id: d9e7127375 (このIDを非表示/違反報告)
春風いちご(プロフ) - トガちゃん可愛いっ！！尊すぎるぅ… (2023年2月26日 15時) (レス) @page22 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - コメント失礼します。先ほどTwitterをフォローさせていただきました。もしよろしければフォロバよろしくお願いします。この作品とても楽しみに読ませていただいてます。頑張ってください！ (2023年2月13日 14時) (レス) @page12 id: fd40c107eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燈 | 作成日時：2023年1月28日 11時
