その火は唐突に ページ15
あの後結局間に合わなくて担任には大目玉を食らった。
そんなに怒らなくてもいいじゃん禿るよ、と心の中で煽ったつもりが口に出ていたらしく、更に怒られた。
爆豪くんに追いかけられなければこんなことには……不本意だ。
覚えてろよばｋ…かっちゃん!!!
…でも、だ。今の私には
私の校内ママ的なお友達、橘川さんが学校を休んだこと。
一年生の頃からずっと体調管理を怠らない子だったので心配になった。風邪なのか、何かあったのか。先生に聞いてみると理由は分からない、無断欠席だと言った。
橘川さんの家に連絡をすると、今朝確かに学校へ行ったという。
もしこれが橘川さんの意思でのさぼりなら、ご家族にいらない心配をかけさせた挙句さぼりをバラしたと橘川さんに怒られてしまう。
分かっていても多少の不安や焦りは消せないものだ。
だから、こういう時こそヒーローを頼るものなんだろう。
「先生！」
「なんだ十倉〜突然立つんじゃない授業中だ、さっさと座りなさい。」
「ちょっとうんこ食べたくなってきたんで今日早退します！」
「お前は何を…あっおい待て十倉！」
授業中とか、そんなのはどうでもよくて。私の頭の中は今感じるこの不安を消し去ることでいっぱいだった。
頼れる人…、爆豪くん、はダメだ今は授業中なんだから。
どうしようと考えている間にも私の足は、まっすぐ裏路地へ向かっていた。
裏路地の、建物の隙間に荼毘さんはよくいた。今思えば何か…誰か？を探している風でもあったな。
……猫でも探してたんかな。
いらない思考で気を紛らわせながらも探して、ようやく見つけた荼毘さんらしき黒い影。
「荼毘さん！」
私の声に荼毘さんは振り向く。この時間に私がここにいること自体がおかしいと気づいているのか、いつもと雰囲気が違った。
「……どうした」
「友達が、いなくて」
「あ？」
「大事な友達なの……荼毘さんなら何か知ってるかもしれないと思って…」
「俺は敵だぞ。知ってたとしてもなんでそんなことをお前に教えてやらなきゃいけねェんだ」
「お願い！」
荼毘さんの声を遮るように、声をあげた。
「……ついてこい」
敵について来いと言われてついて行くなんて、私は相当バカなのかもしれない。
走ったせいで汗だくだ。気持ち悪い。
そんな事を思いながら息を整えるように汗を拭った。
待っててね、橘川さん。
＿＿＿＿＿
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ナナシ - すっごく面白かったです！読み切ってしまったのが残念に思うくらいです。心地よいドキドキ感が味わえて楽しかったです。絶対また読みます！ (2023年4月4日 2時) (
レス) @page40 id: d5c4f7e5a3 (このIDを非表示/違反報告)
素因数分解(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉明るくクスッと笑えるあなたの作品が大好きで毎日更新を心待ちにしていました。それがなくなると思うと少し寂しいです。凄く面白い作品です。お疲れ様でした🍵 (2023年3月26日 15時) (レス) @page39 id: 2687d60546 (このIDを非表示/違反報告)
はないかだ(プロフ) - タイトル回収！！しかもヒロアカアニメと同じタイミングとか！！！図ってましたか？？ (2023年3月18日 22時) (レス) @page32 id: d9e7127375 (このIDを非表示/違反報告)
春風いちご(プロフ) - トガちゃん可愛いっ！！尊すぎるぅ… (2023年2月26日 15時) (レス) @page22 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - コメント失礼します。先ほどTwitterをフォローさせていただきました。もしよろしければフォロバよろしくお願いします。この作品とても楽しみに読ませていただいてます。頑張ってください！ (2023年2月13日 14時) (レス) @page12 id: fd40c107eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燈 | 作成日時：2023年1月28日 11時
