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エピローグ ページ36

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海の見える丘にある墓石。
一本道を男女二人が肩を並べて歩いている。


「Aちゃんの熱が全くひかないものだから中也も相澤さんもすごく慌てていたんだよ。」

「私も起きたら3週間たっていたなんて驚いたわ。

後処理も含めて全てありがとう。」


中原の身分は勿論、死柄木達の目撃情報、爆破された線路の後始末、川端家従者の新しい仕事の斡旋、川端恒太郎を主とした川端家重鎮の引渡し、相澤にかかっていた異能力の処理諸々。


川端Aが熱に魘されていた3週間で太宰のみならず武装探偵社に手伝ってもらったのだ。


「それにしても私、死柄木くん達が来るなんて知らなかったのだけれど」


「ふふ、サプライズってね」







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「久しぶり、織田作さん」
「やぁ、織田作」


Aはガーベラとアルストロメリアの花束を。

太宰はフリージアとスターチスの花束を。



2人はそれぞれの花束を墓石に捧げる。




風が吹き抜けた。春一番だ。
潮の匂いが鼻を掠める。波打つ海に太陽が輝く。






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ゆっくりと目を開けた2人。



「カレー食べない?

夜は消太さんと外食に行くの。」


「いいねと言いたいところだけれど、君の番犬が吠えるからなぁ
私犬嫌いなのだよ

ほら、迎えに来ているみたいだ。」


「じゃあ死柄木くん達も誘おうよ

…ほら、ちょうど電話かかってきた」









「治くん、今後もよろしくどうぞ」


Aは薄紅色の一輪の花を差し出す。


「ローダンセか。ふふ、有難く頂戴するよ」









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日の光を浴びた鮮やかな橙。
車にもたれながら立っている。


「中也」


ビクリと跳ねる中原の肩。
桃色に染めあがった頬に耳と首まで熱を持つ。


「名前呼び、まだ慣れないの?」

「うるせェ。……A」


差し出された中原の手をAが取るとゆるりと指が絡められる。







「あぁー、蛞蝓なんかに私の可愛い可愛い昔馴染みがとらるなんて!」

「あぁ!?誰が蛞蝓だとこの青鯖!!」

「告白もキザだったね」

「あァ??」

「うっわ吠えないでよ








……Aちゃん、今幸せかい?」


「ふふっ、そうみたい。

私、とっても幸せよ。」







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カランコエが咲き乱れている。
花弁が風に舞った。







.





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[完]


フリージア:感謝、親友
スターチス:途絶えない記憶
ガーベラ:前進
アルストロメリア:幸福な日々
ローダンセ:変わらぬ思い、終わりのない友情
カランコエ:幸福を告げる

後書1→←35話



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北窓(プロフ) - 麦茶さん» 返信遅くなって申し訳ありません。ありがとうございます!!!! (2021年1月27日 17時) (レス) id: 5a0c901b45 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶 - セリフの1つ1つがすっごい心に響きます。頑張って下さい! 応援してます。 (2020年9月6日 10時) (レス) id: ccb520a109 (このIDを非表示/違反報告)
北窓(プロフ) - 有難うございます!楽しんでいただければと思います! (2020年7月10日 9時) (レス) id: 5a0c901b45 (このIDを非表示/違反報告)
もぐもぐ(プロフ) - 2章でも頑張ってください。応援してます! (2020年7月4日 6時) (レス) id: 4b8fca2053 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:北窓 | 作成日時:2020年7月4日 0時

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