31話 ページ32
ーーー午前7時。
漸く太陽が顔を出す。
走り始めてから2時間半。
既に数人は足元がふらふらになりながら走っている。
全力で走る事を要した為、持った方であろう。
かく言うAも息が乱れてきている。
(ーーー残り、82。
もう少ししっかり呼吸しないと最後まで走りきれない。)
前方に切島が見える。
(ーーー肺が痛いどころじゃない！
千切れそうだ！もう少しで意識も飛んじまう！！)
今何とか足を動かす切島。
大分ペースが落ちている。
「しっかり全力で走りなさい！
まだ意識あるんでしょう！！」
そう言ってAは竹刀で足元を叩く。
ーーーベシィッッッ
えげつない音を立てて竹刀がしなる。
「はい！！！」
竹刀で叩かれたら中身飛び出てしまうのではないかと思った切島は、意識をしっかり持ち、また全力で走り始める。
続いて見える、麗日、芦戸に檄を入れながら更に走る。
前方に緑谷、爆豪が競う様にして走っているのが見える。
2人とも息は上がって辛うじて話している程度だが。
「クソッッ…ハァッ、ハァッ…
クソデクの、分際で、…ハァッ、…お、れに、付いて、来るんじゃ、ねェ…！！！」
「っだったら、…もっと、ハァッ、速く、走りなよ…！！！」
そんな2人の足元に竹刀が地面の土をえぐる。
「っ口論してる余裕が有るのなら、もっと速く走りなさい！
私が何回貴方達を抜いたと、思っているの！」
そう言いながら一瞬で追い越し、走り去って行く。
また暫くすると、飯田が見える。
(ーーー個性も相まって彼が一番速いな。)
流石は真面目、とでも言おうか、顔が歪んで辛いのがよく分かるが、何とか出来るだけ全力で走ろうとしているのが見て分かる。
「その調子で走り切って！」
A、残り81周。
ーーー午前10時過ぎ。
「…ハァッ……ハァッ、ハァッ…。 」
A、160周終了。
(やっぱ、後半はペースが落ちる。
流石に160はきついな…。
最後の20周では肺に空気が全然入ってこなかった。
…もう立っていられないし、意識が飛びそうだ。)
予め寮の前に置いておいた2Lの水を全て身体に浴びせ、水分を摂りながら草叢に寝転がる。
冷たい風が気持ちいい。
(飯田は残り12周、
緑谷、爆豪は残り15周、
切島は残り20周、
芦戸は残り23周、
麗日は残り25周ってとこか。
速くても12時は越すな。
意識戻ったら柔軟しよう。)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 410人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきな(プロフ) - はえ〜…好き (2020年3月19日 3時) (
レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 待って泣く泣くてかもう泣いちゃたー！｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年3月15日 3時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ - 随分遅れましたが続編おめでとうございまーす！！！！！これからも更新頑張ってください、応援してます！ (2020年3月14日 9時) (レス) id: 9d8d7fe98a (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 帰れない！嘘、(゜゜;)とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年3月14日 0時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 最初から最後まで、読みました！とても面白かったです( ≧∀≦)ノ後ランキング5位おめでとうございます！(* ´ ▽ ` *)ﾉ (2020年3月13日 10時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：北窓 | 作成日時：2020年3月12日 23時
