27話 ページ28
「御免なさい。
暗い話になってしまったね。
今日はもうお開きにしましょう。」
そう言って手を叩き、ソファから立ち上がろうとするAを芦戸が慌てて引き留める。
「ねえ、三ノ宮さんの話も聞きたいなー！」
「そうそう、せっかくの女子会だし！」
「聞きたーい！」
「えっ。」
賛同していく女子に戸惑うA。
先程までの暗い雰囲気は何処へやら。
「私話す事無いわ。
恋愛なんてした事無いし。」
親に売られて。
汚い、豚箱の様なところで生かされた。
光が見えたと思ったら、地獄の始まりだった。
実験体として、鎖に繋がれ。
一族の数々の稽古を受け、死ぬ気で生き残ってきた。
生きて会いたかった人は死に。
自分は何も出来ずに敵に弄ばれ。
復讐を誓って血反吐を吐く努力をした。
失った物は戻っては来ないと知っていても。
風柱に近付く為に。
一体でも多く鬼を斬れる様に。
少しでも早く鬼を全て殺せる様に。
必ず、託された想いは果たす。
その為だけに生きてきた。
怪我など日常茶飯事で。
手は豆と傷とあかぎれでぼろ布の様。
髪は短く、化粧っ気は無し。
華やかな服も可愛い耳飾りもしない。
服を脱げば火傷の跡と縫い跡。
胸は小さく、体は痩せて細く、骨が浮き上がっている部分も。
女特有の柔らかさなど皆無に等しい。
骨と筋肉ばかりの身体。
おまけに短命で子供は産めないだろう。
同い年の女の子達とは比べ物にならない。
第1に15になれば殆どの娘は嫁ぐのだ。
普通の女の幸せなど、Aにとっては何一つ幸せでは無い。
鬼を残さず殺すことだけが、
一族の仇を討つことだけが、
憧れの人の手助けが出来る事が、
そんな血濡れた人生だけが彼女の幸せだ。
その為に生まれ、その為に生き、その為に死ぬ。
そう本気で思っているのだ。
「好きな人なんて出来た事ないし、
他にやらなければならない事が山程有るから、
そう言うの考えたこともなかったわ。」
「じゃあ、憧れの人は？
一緒に居やすい人とかでも！」
懲りずに楽しそうに聞いてくる女子達。
Aは少し考える。
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ゆきな(プロフ) - はえ〜…好き (2020年3月19日 3時) (
レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 待って泣く泣くてかもう泣いちゃたー！｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年3月15日 3時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ - 随分遅れましたが続編おめでとうございまーす！！！！！これからも更新頑張ってください、応援してます！ (2020年3月14日 9時) (レス) id: 9d8d7fe98a (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 帰れない！嘘、(゜゜;)とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年3月14日 0時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 最初から最後まで、読みました！とても面白かったです( ≧∀≦)ノ後ランキング5位おめでとうございます！(* ´ ▽ ` *)ﾉ (2020年3月13日 10時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：北窓 | 作成日時：2020年3月12日 23時
