12話 ページ13
Aside
ーーー日中。
家事を終えた私は、外で参考書を探していた。
歩きながら思い出すのはかつての継子仲間。
手が小さく、頸が斬れない、鬼を殺せない、と嘆いていた小さな蝶の女の子。
私も力がない方だったから、2人で別の殺し方を必死で模索した。
結果、私はかつて習った暗殺術と体術、剣術を融合させ、頸が斬りやすい態勢に陥れてから小さい力で首を刎ね。
彼女は自らの頭で鬼を殺す毒を考えて。
力が無いから速さで凌ぎ。
性格は気が強く、短期で、面倒見が良く、姉の前だけでは幸せそうに笑う。
薬学に長け、怪我をした隊士の手当ても的確。
己の研究にも熱心で。
夜な夜な明かりをつけて実験記録を手に持ったまま寝るなんて事も。
自分に出来ることを必死で模索して、努力して。
数少ない女隊士と言う事で、胡蝶様(姉)と話をすることもあり、継子仲間として妹君として胡蝶様に紹介された。
「しのぶっていうのよ。」
と紹介されたから、
「しのぶ様、宜しくお願いします。」
と言って手を差し出したら、叩かれて、
「気安く名前で呼ばないでください。
それに、姉さんに近づかないで。
貴方の師範にも言ってください。」
なんて言われた。
姉と話していたのを見て警戒されたなんて事はすぐに分かったから、
「じゃあ、呼んで良くなったら許可をください、妹君。」
と、にこやかにお前には話しかけ続ける、と言い。
それからは何気によく話し。
表裏のない性格が一緒にいて楽しかった。
年の近い女子の仲間が出来たのが初めてで。
慣れてきたら私にも笑いかけてくれるのが嬉しくて。
怪我をしたら怒りながら手当てしてくれて。
強気な言葉に心配が見え隠れしていて。
可愛いものや綺麗なものが好きで。
花束をあげたら屋敷に飾ってくれた。
2人で甘味を食べて。
師範の自慢話を一緒にして。
彼女が13の時に胡蝶様は命を落とし。
数カ月程度遠出の任務で留守にしていた私は、帰ってきたから彼の人が死んだ事を知り。
妹君の元に駆けつけたら、既に時は遅かった。
泣き腫らした目元に似合わない笑顔。
私が好きだった太陽のような強気の笑顔はなくて。
笑っているのに少しも楽しそうでは無くて。
仕草も言葉遣いも私の知る彼女では無くて。
『鬼と仲良くしましょう。』
なんて思ってもいなかった事を言っていて。
胡蝶様と共に、私の好敵手も死んでしまったのかなんて思っていた。
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ゆきな(プロフ) - はえ〜…好き (2020年3月19日 3時) (
レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 待って泣く泣くてかもう泣いちゃたー！｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年3月15日 3時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ - 随分遅れましたが続編おめでとうございまーす！！！！！これからも更新頑張ってください、応援してます！ (2020年3月14日 9時) (レス) id: 9d8d7fe98a (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 帰れない！嘘、(゜゜;)とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年3月14日 0時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 最初から最後まで、読みました！とても面白かったです( ≧∀≦)ノ後ランキング5位おめでとうございます！(* ´ ▽ ` *)ﾉ (2020年3月13日 10時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：北窓 | 作成日時：2020年3月12日 23時
