8話 ページ9
「ヒロ、いつまで古峯の手を握っているんだ?」
「え、あ、ごめん!?」
からかいを含んだ降谷くんの声に、両手が振り払われる。
景光くん、私に触れているところを降谷くんに見られるのがそんなに嫌だったのか。
「古峯、言っておくが、僕とヒロは付き合っていないし、ましてや結婚もしていないからな。」
「え、うそだ」
「嘘じゃない」
顔に書いてある、と降谷くんが笑っている中、奥で慌てて否定する景光くんがかわいい。
あぁ、でもじゃあ、彼の結婚相手はどんな人なのだろう。
まぁ、そんなことを聞く勇気も度胸もないのだが。
.
「Aちゃん…古峯さんもよかったら夕飯どうぞ。」
苗字に言い直されて凹む自分が恥ずかしい。
私だって彼のことを苗字で呼ぶし、友人に戻ったのだから、当たり前なのに。
彼が名前で呼ぶ人は他にいて、もしかしたら敬称もなしで呼び捨てなのかもしれない。
そして、きっとその人は彼にお似合いの素敵な笑顔で朗らかな人なのだろう。
「美味しい…」
「よかったらおかわりもあるからね」
久しぶりに食べた彼の料理は変わらず優しい味がして。
きっとこの2年で更に上手になったのだろうな、なんて。
彼の2年間は他のなにかに捧げられていて、そこに私は必要なかったのだ。連絡が来ない携帯を1日に何度も確認して、溜息をついて。
心のどこかで一段落ついたら連絡をくれるのだろう、なんて期待していて。
そんなお花畑な考えは、あの朝うち破かれた。
思いっきり頬を叩かれた気分だったのだ。
彼に私は必要なかった。
きっとほかに素敵な人を見つけ、共に未来を歩みたいと誓ったのだろう。
見ず知らずの彼の結婚相手にヤキモチを焼くなどお門違いも甚だしい。
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天然石 - 更新してほしいです (4月21日 14時) (レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - 更新してほしいです (12月24日 12時) (レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
春香(プロフ) - 更新待ってます! (11月26日 11時) (レス) id: bb559b3d0f (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - 続き書いてくださいずっと待ってるのですが (11月11日 16時) (レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
SARA(プロフ) - 他作品から来ました。やっぱりすごく面白いです!このじれったい2人はどうなっていくんですか?!気になります! (10月16日 22時) (レス) id: 000b3a28d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:北窓 | 作成日時:2022年5月21日 16時