4話 ページ5
「お邪魔します。」
「本当だよ」
早朝から走っていたのだろうか。
折角の休日なのに、と口を尖らせた彼、降谷くん。
なんでも外で私と居るのを見られるのは良くない、とのことで、彼の家に入れてもらった。
取り敢えずその顔を何とかして来い、とお風呂にぶち込まれて鏡を見る。
…うわ、昨日メイク落としてないまま今日泣いたからどろどろだ。
.
「それで？」
「料理できるようになったんだね」
「ああ、教えてもらったんだ」
食材を木っ端微塵にしていた降谷くんの料理技術はいつの間にか上達していた。
大方景光くんにでも教わったんだろう。
玉子焼きの味付けが同じだったのだ。羨ましい。今でも仲良しか。
「…つまり、酔って記憶を飛ばした挙げ句に既婚者とワンナイトした、と。」
「そのとおりで御座います。」
勿論景光くんの名前は出さずに、事のあらましを簡単に説明する。
自分の友達が幼馴染と不倫した、とか最悪すぎる。
「民法第709条。
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
そもそも不倫自体を罰する法律はない。
個人の尊厳や夫婦平等の観点からの言及でしかないから。
まぁ、 慰謝料を請求された場合は、大人しく払うしかないな。」
「待って、そんな目で見ないで」
「うるさい。
反省の意を示せば情状酌量貰えるかもな」
君は僕のことをドラ○もんとでも思っているのか、なんて。
だって君に頼らなかったら、誰を頼るんだ。
法学部主席だよ？
「証拠隠滅は済ませてきたんだろう？
態々相手が奥さんにバレるようなことをしなければ隠し通せはする。
それよりも古峯は自分のキャパくらい把握しておけ」
「仰るとおりで御座います。」
知ってるよ。
ハニーフェイスの甘い顔しておきながら、プライドエベレストの格闘ゴリラだものね。
ミス東都大に告白されたときですら、恋愛に興味がないと一刀両断。
あのときは流石に震えたよね。
は、もしかして景光くんがいれば満足だって？
なんか全て腑に落ちたわ。
これ、景光くんと不倫しました、なんて言ったら、私存在抹消されるよね。
墓場まで持っていこう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3027人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天然石 - 更新してほしいです (4月21日 14時) (
レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - 更新してほしいです (12月24日 12時) (レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
春香(プロフ) - 更新待ってます！ (11月26日 11時) (レス) id: bb559b3d0f (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - 続き書いてくださいずっと待ってるのですが (11月11日 16時) (レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
SARA(プロフ) - 他作品から来ました。やっぱりすごく面白いです！このじれったい2人はどうなっていくんですか？！気になります！ (10月16日 22時) (レス) id: 000b3a28d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：北窓 | 作成日時：2022年5月21日 16時
