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12話 ページ13

Side change




証拠のないものは信用しない。
それが警察官としての僕が取るべき態度だ。
裏を返せば、疑惑があるのならば徹底的に調査すればいいわけで。



公安に配属されるには、警察学校で優秀な成績を収めた上で、実地でも十分な成果を上げる必要がある。
齢24で公安部に配属された僕の幼馴染は、世間一般的に見れば超絶優秀の部類に入る。
つまりは仕事漬けの毎日で、女に現を抜かす暇なんてなかったはずなのだ。

何が言いたいかというと、ヒロが好きなのは、未だに古峯なんじゃないかと言う話だ。







ヒロと夕食を食べる日に、偶然会った古峯を捕まえて引き合わせれば、案の定。
彼女を見た瞬間におたまを落とし、固まった。
彼女の手を両手で握り、下から覗き込んで、眉を下げながら僕と付き合っているのか、なんて尋ねている。
その仕草を無自覚でやるところが何というか、えげつない。



手を握っていることを指摘すれば、目をあたふたさせながら耳まで真っ赤にして手を振り払う。
ちなみに古峯の意味のわからないアホさもご健在で安心したよ。
どう考えたら僕とヒロが結婚したことになるんだ。





「ゼ、ゼロ…
連絡先聞いても、急に音信不通になったくせにって思われるよな…」


「ヒロ、それ、僕に聞けって言ってるようなものだよな??」




古峯が皿を洗ってくれている間に、おずおずとヒロが尋ねてくる。
もう確信だよな。
ヒロの好きな人、古峯だよな。
そして幼馴染と友人の性事情なんて知りたくなかったっていう僕の嘆きを誰か聞いてくれ。






古峯が帰る準備をし始めたから、ヒロを小突いて送ってやれと目をやる。
緊張した震え声で「嫌じゃなければ送ってもいいか」なんて、照れたように目線を反らせて首元に手を回しながら尋ねている。

ヒロは照れたときに首や耳に赤みが指す、なんて古峯も当然知っているはずで。
笑顔で肯定した彼女を前に、僕の幼馴染はなんとも嬉しそうな顔で笑みを浮かべるのだ。




一言いいか?
僕の幼馴染、あざとすぎやしないか?
可愛すぎないか??
本当に成人男性か???
尻尾と耳が見えるのは、僕だけの錯覚ではないはずだ。

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天然石 - 更新してほしいです (4月21日 14時) (レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - 更新してほしいです (12月24日 12時) (レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
春香(プロフ) - 更新待ってます! (11月26日 11時) (レス) id: bb559b3d0f (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - 続き書いてくださいずっと待ってるのですが (11月11日 16時) (レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
SARA(プロフ) - 他作品から来ました。やっぱりすごく面白いです!このじれったい2人はどうなっていくんですか?!気になります! (10月16日 22時) (レス) id: 000b3a28d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:北窓 | 作成日時:2022年5月21日 16時

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