15話 ページ16
どうやら学校内に爆破予告も出ていたらしい。
見た感じ外国人も混ざっていたから、左翼組織かなぁ。
そんなことを考えながら、トイレから廊下に出て歩く。
ラボに戻ろうと踊場付近に通りかかったとき、ふと目線をはしらせる。
いや、嘘でしょう。
明らかに大柄な体格の外国人と目が合い、拳銃を向けられた。
「Oh, little lamb!」じゃないよ。
近寄ってこないで。
昔から大柄な男性は苦手だ。
殴られたらリアルに身体がぶっ飛びそうで怖いから。
海外の女の人が道端で急に男に殴られるニュースを見てから、怖くて怖くてたまらない。
窓際まで追い詰められ伸ばされた腕に身が竦む。
「っっ、助けて！！景光くん！！！！」
こんな時に名前で呼ぶなんてずるいかな、と目を瞑ろうとしたとき。
肉体を弾く音と共に眼の前の銃が飛ぶ。
細身できれいな身体が一回り以上大きな巨体の手を脚で蹴り上げ、流れるように腕を抱え込み、足を払って一回転させ、地面へ伏せさせる。
そのまま頭を押さえ、後ろで手錠をかけた。
流れるような、洗練されたその一瞬の動作に、私の心はいとも簡単に奪われるのだ。
廊下に響く「確保」の声とともに、警察が駆けつけて取り押さえる。
話し終えた彼がこちらに駆けつけて、震える手で落とされた銃を握っていた私の手からそれを抜き取り、そのまま彼の方へと腕を引く。
頬がぴたりと彼の胸元に張り付き、強く、それでも優しく掻き抱かれた。
「っ、心臓が、潰れるかと思った」
息の乱れた彼が、震え声でそう吐き出す。
離れていても聞こえるんじゃないかというくらい、彼の心臓の音は焦燥に包まれ、鳴り響いていた。
「……怪我は？オレは怖くない？」
「だいじょうぶ。景光くんが助けてくれたから。」
彼の背に腕を回し、震える手で強く抱き返す。
貴方との間に隙間なんてないくらい、抱き締めて。
怖かった。足が竦んで、もう立てなくて。
眼の前にいた大柄の男が私に銃を向けて。
撃たれるのも嫌だけれど、人質にされたら女がどうなるかなんて、馬鹿でも分かる。
でも、もしかしたらって。
貴方なら、助けてくれるって思ってたの。
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天然石 - 更新してほしいです (4月21日 14時) (
レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - 更新してほしいです (12月24日 12時) (レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
春香(プロフ) - 更新待ってます！ (11月26日 11時) (レス) id: bb559b3d0f (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - 続き書いてくださいずっと待ってるのですが (11月11日 16時) (レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
SARA(プロフ) - 他作品から来ました。やっぱりすごく面白いです！このじれったい2人はどうなっていくんですか？！気になります！ (10月16日 22時) (レス) id: 000b3a28d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：北窓 | 作成日時：2022年5月21日 16時
