7話 ページ9
ーーー翌朝、午前6時
Aは顔をしかめながら外を眺めていた。
どうしてもこの環境は好かない。
昨日粗方の説明を受けたが、個性と血鬼術が同じようなものだと感じたため、この世界の人間が鬼のように思えてしまうのだ。
そもそも人間の定義とはなんなのか、どう見ても人間とは思えないような外形な人々が街を歩いている。
人間が鬼になれて喜んでいるような気がしてならない。
そっと溜息をつき、カーテンを閉めた。
さぁ、今日の朝食は何にしよう。
答えの出ない問いを考える事を放棄し、台所へと歩いた。
ーーー午前10時
雄英高校の校長室に2人と1匹。
相澤の説明を横流しに、Aは雄英高校学校長・根津を凝視していた。
ネズミが服を着ている。
まぁ、音柱とネズミも意思疎通ができるらしいから良いのだが、このネズミは社会的地位があるらしい。
(ーーーネズミの元に成り立つ組織。意味がわからない。個性とやらは何でもありなのか。)
そんな事を頭で考えながらぼんやりと1人と1匹のやり取りを眺めていた。
「じゃあ、Aくんも其れでいいかな?」
咄嗟の問いかけの返答に詰まる。
全く話を聞いていなかった。
相澤の方を見るとまるで聞いてなかったのかお前、再び説明はしないぞ、とでも言うように顔をしかめていた。
「申し訳ないがもう一度仰っていただけますか。」
相澤の顔がさらに歪む。
「1.君は相澤君の家に住んでもらう。
2.鬼の新たな情報、活動範囲、能力などが分かったら随時報告する事。
3.鬼の情報は上部のヒーローのみに伝える。
この3つの条件を飲むのであれば、鬼狩りをしやすくなる用出来るだけ支援しよう。」
「出来るだけ支援とは、服や薬、毒の提供などですか?」
「そうだね、其れに加えて、君が行動する時のヒーローによる民間人避難、位置情報システムなどかな。」
少しAは考える。
全くもって同じ土台にいないではないか。
「こちらからは空間把握能力者の情報提供をお願いしたい。
其れと、先程てれびとやらで見たのですが、ひいろおとゔぃらんが戦っているときに、動画とやらを撮ろうと逃げない民間人がいるらしいですね。
私は自分の任務の邪魔となる者を助ける気は無いのですよ。
私が死ねば被害は止まるところを知らず、さらに拡大していくので。」
氷のようなAの視線に冷や汗が流れる。
「つまり?」
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北窓(プロフ) - さやさん» そう言ってもらえると嬉しいです!読んで下さりありがとうございます! (2020年8月13日 10時) (レス) id: 5a0c901b45 (このIDを非表示/違反報告)
さや - え、やばめっちゃおもろい...戦闘シーンの書き方とか想像しやすくて好きです...楽しんで読ませていただいております...! (2020年8月7日 17時) (レス) id: 66bfdf92b1 (このIDを非表示/違反報告)
バカで変人な天才 - めっちゃ面白いです。更新がんばってください! (2020年3月12日 18時) (レス) id: 9900cccf42 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうよもや - 瞬発的に高評価押してしまった (2020年3月12日 3時) (レス) id: eec7269bb9 (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ - めっちゃ面白いですね!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます (*´˘`*) (2020年3月10日 23時) (レス) id: 9d8d7fe98a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:北窓 | 作成日時:2020年3月6日 16時