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5話 ページ7

「……あ、及川さん。次の土日、歌ステの撮影入りました」
「了解、また監督に言わないと……」

6時頃、帰宅した俺を迎えたのはにろくんのそんな言葉だった。
確か、土曜日は練習が入っていたはずだ。
毎度毎度申し訳ないな、と思いつつ明日連絡しようと心に書き留めておく。

「あんた、どうせ忘れるんすからそこら辺のメモに書いといてください」
「……はい」

にろくんはエスパーかな? なんてバカなことを考えながら近くのメモ帳を手繰り寄せる。
ペンを取りだし、監督に連絡と書いてその辺に貼っておく。

「……ご飯出来たんで、さっさと食べちゃってください」
「はーい。わ、タコさんウインナーだ」
「あんた好きでしょ、そういうの」

そう言えば、ラジオとかでそんなこと言った気がする。
……覚えててくれたんだ。

「……あ、見てください。このバンド」

何だか感動していると、にろくんはテレビを指差す。
そこには5人組のバンドが映っていた。

「……へぇ、かっこい。ボーカルこの人? 色気凄いね……」
「っすね。でも、ベースとドラム良くないっすか? 阿吽の呼吸みたいな感じ」
「……ギターとキーボードはまだ発展途上、って感じかな。上手いけど、息があってない」

そのバンドは、俺らと同じく顔を隠していて何だか親近感が湧いた。
にろくんとわいわい言いながら彼らの演奏を聞いているとやはりバンド、と言うべきか。
彼らの曲調はロックに振りきれていた。

「……面白いね、名前は? 」
「Mobです。……群衆、とか悪党仲間って意味らしいです」

Mobか、覚えとこ。

「……興味持ちました? 」
「持った」

にろくんがこてん、と首をかしげる。
俺は大きく頷いた。
親近感も湧いたし、何だか面白そうな5人組だ。
そんな俺に、にろくんはにやりと笑う。

「良かったですね。次の歌ステ、Mobも来ますよ」
「……ほんと? 」
「嘘言ってどうすんすか。会いに行きますよね」

そう笑うにろくんは、どことなく楽しそうだ。
弟を持つ兄ってこんな感情なのかな。
今度月島くんのお兄ちゃんに聞いてみよう。

「明日も泊まってくんすか? 」
「うん。……何か居心地良いもん」
「男がもんとか……。止めてください」

文句を言いながら俺の前に温かいお茶を置くにろくん。
……こういうところが居心地良い原因なんだけどな。

「先お風呂入りますか? 後にする? 」
「後で良いよ。にろくん先入りな」
「……っす、失礼します」

俺はにろくんがお風呂へ消えるのを見届け、携帯を開いた。

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コアラランド(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (2020年2月9日 13時) (レス) id: 5b9d17e3ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にろにーに | 作成日時:2019年10月14日 13時

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