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4話 ページ6

「……昨日の歌ステ見た? crown超格好よかった!! とおるんの歌がね、もう凄くて!! 」

朝のHRの少し前。
3年6組の、自席に座っていると後ろからそんな声が聞こえてきた。
顔は向けず、耳だけダンボにして会話を拾う。

「でもにろにーのゲス声も良くなかった? こうぞわぞわってしたんだけど」
「て言うか、あの腰振りな。本当に高校生かよ、アイツら」

女子だけだと思ったら、男子も混ざっているようで。
うちのにろくん凄いでしょ、なんて胸を張りたくなった。


とおるん @crown_blue

うちのにろにーは凄いんだよ!!


勿論、学校でそんなこと言えないのでTwitterで。
すぐにいいね? や返信が来る。
そのなかににろくんのも見つけた。


にろにー @crown_red

@crown_blue あんた何言ってんですか。恥ずかしくないんですか。


言葉こそ冷たいが、彼は恐らく顔を真っ赤にして隣にいるであろう青根くんに心配されているのだろう。
その様子が安易に想像できて、ふふんと思わず笑みが浮かんだ。




@crown_blue 何だこの惚けは。
@crown_blue 俺たちは何を見せられているのだろう。
@crown_blue とおるんのにろにー大好き病か。




「及川、今日調子いいな」

部活中、岩ちゃんがそう言って俺にスポドリを渡す。
俺はそれを受け取って、喉に流し込んだ。

「……そう? いつも通りだと思うけど……」
「わかる、何か調子? っつーか機嫌良いよな」

首をかしげると、マッキーが俺の首に肩を回す。
そこにまっつんも近づいてきて、同じように頷いた。
……機嫌、かぁ。にろくんパワーかな。
なんて。彼に言ったら顔を真っ赤にして怒るんだろうけど。

"何言ってるんですか!! ほんっと恥ずかしい人っすね!! "

そう叫ばれるのだろう。
それから2時間は口を聞いてもらえないだろうな。
いや、酸っぱいグミを買えば1時間でいけるか。

「……ふふ」
「な? ご機嫌だろ? 」

思わず笑みを溢すと、マッキーが俺を指差して2人にそう言っている。
何だか俺の機嫌が良いと、部活の雰囲気も良くなるみたいだ。
矢巾と京谷が何やら話しているし、国見ちゃんがいつもより真面目に練習している。

「はぁ、にろくんパワーは凄いなぁ」
「にろくん? 誰だそれ」
「知り合いだよ、岩ちゃんも知ってると思う」

俺の呟きは隣で練習していた岩ちゃんに聞こえていたみたいで。
けど岩ちゃんは興味なさげに「ふーん」と呟いただけだった。

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コアラランド(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (2020年2月9日 13時) (レス) id: 5b9d17e3ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にろにーに | 作成日時:2019年10月14日 13時

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