夢を掴んで

未完成のまんまでも ページ21

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ozaki


合宿中キャップを練習室に忘れて取りに帰った時に練習室の床とシューズが擦れる音が廊下に響き渡ってて覗いた部屋にいたのはA。


“ もっと速く

突き抜け There’s no gravity ”


華やかさがあってどっか力強さが見える姿が特徴的？なAのダンスだけど今は違う、何かに焦ってるように踊る姿が俺の目には映った


『はあ、…っこれじゃダメ……』


プレーヤー機のところに行ってもう一度頭からやり直す、それを何回も何回も


『……はあはあ、…ダメじゃん、』


立ち上がろうとするAだけど踊りすぎたせいかバランスを崩して倒れてしまった、そんな姿を見て見ぬふりできひんくてAの方に向かった


尾崎｢ちょ大丈夫か？！｣


『…匠海くん、』


尾崎｢休まなあかんって、｣


『ありがとう、でも今の私にそんな余裕ないかっら、、』


尾崎｢こんな状態で踊ったらあかんって、はいタオルと水、｣



事前にAが用意してたタオルと水を渡して強制的に飲ませる、


尾崎｢なにか言われたん？｣


尾崎｢なにかされたん？｣


そう聞いてもAは首を横に振るだけ、口を割りそうにもないか、って諦め気味やったらAが独り言のようにたくさん話してくれる


『完璧じゃなきゃだめなんです、完璧じゃなきゃ意味が無いから、』


尾崎｢そんなことないで？｣


『そうしないと、また怒られる、』


尾崎｢大丈夫、大丈夫やから｣


『見捨てられる…、』


明るくて元気な姿の裏には焦りと不安と恐怖があって
……この子はほんまは弱い子なんやな、もっと早く気づいてあげればよかった


昔Aが所属してたアイドルグループ、人気絶頂の中解散報道があったのを思い出した、


“不仲説” “学業専念” “すれ違い”


あの時SNSが荒れてたし、いろんな噂が出回ったけれど、みんなバラバラになっても集まって写真をSNSにあげてたからそんなことは無くて、原因が不明のまんまその話は自然消滅してった。



けれどなんとなくやけど…その原因が今わかった気がした




尾崎｢昔偉い人たちに未完成やとあかんって怒られてたん、？｣




そう聞くと初めてAが首を縦に振ってくれた





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