私が目指すもの Ⅱ (ページ14)

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頼りないページ14

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nishi

上田｢Aちゃんの様子が最近おかしい｣

将人がそう言った。
確かにAは最近おかしい。

今だってそう、部屋の片隅で体育座りして下を向いてる。
みんなが心配して声を掛けるけれど『大丈夫』の一点張り。

明らかに何かある。

その事をたじに聞きたいけれど今たじはここを離れてる。
こんな状態が続いてるからきっとAの異変にたじだって気づいてるはず。

西｢A｣

『西くん。どうしたの？』

西｢ほんとに大丈夫？｣

『大丈夫だから、気にしないでください。』

大丈夫とは言ってるけれど明らかに目の下にはクマが出来てる。
その原因を確かめるために夜自分の部屋から抜け出しいろんな部屋を転々としてAを探した。

やっとの思いで見つけた時Aはダンスをただひたすら踊ってた。

無心で踊ってる姿。心がこもってないダンス。
今まで見てきたAとは別人みたいで、何かに取り憑かれたみたいだった。

そんな姿を目の当たりにして、ただここでぼーっと見てられない。

そう思って俺は扉の先に進んだ。

西｢A？｣

そう呼んでみたってAから返事は聞こえない。
イヤフォンはしてないし、ワイヤレスイヤホンでもない。

ただ近くからCDプレイヤーからGoosebumpsを流してる。

聞こえるはずなのにAから返事が聞こえない。
何度読んでも返事がないから肩を叩いて呼んだ。

『やめてっ！』

下に座り込んでしまった。

西｢怖がらせてごめん｣

『に、し、くん、』

やっと俺の声に反応してくれたけれど、
Aの声は何かに怯えてるような声だった。

こんな時俺はどうしたらいい？何をしてあげたらいいんだろ？

いろんなことを考えすぎて悩み続けてると部屋の扉が開いた、そこに居たのはたじだった。

田島｢A？大丈夫落ち着いてこっち見れる？｣

たじの言葉で素直に顔をたじに向けた。
Aの目からは大粒の涙がたくさん流れていた。

たじは自分の持ってきたタオルでAの涙を拭いて、ゆっくりと頭を撫でてあげていた。
この光景にたじは慣れていて、こういうこと前にもあったんだろうなと分かってしまう。

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