アーサー到来

夏休み ページ30

夏休み入りました
てことで

「アーサー、久しぶりにランデブーしよ‼
正確に言えば初めてだけど‼」

英「こんな暑いのにか…？」

外では蝉のうるさい鳴き声が町中に響き渡り、ギラギラと太陽が容赦なく日光を浴びせ続ける
こんなに毎日うるさいと耳がおかしくなってしまいそうだ
そう考えながらチラッとアーサーに目をやる

確かに暑いかもしれないが今のアーサーよりはマシだと…

「あのねぇ、こんな立派な大英帝国様がアイスくわえて扇風機の前で体育座りってどうよ」

英「ここにいる間は国でも何でもねぇからいいんだよ
つーかこんな真夏にクーラー壊れてる家の方がどうかと思うけどな」

朝から暑いなと思って起きてみればクーラーが普通じゃない音を出していたのだ
アーサーが言うことも否定できない…

団扇を仰ぎながらため息をつくと、隣にいたアーサーがあー、と小さく声をあげた

英「なんだハズレかよ」

どうやらアイスの話のようだ

あ、私もアイス食べよかな

そう思い冷凍庫を開くも、お目当ての物は見当たらなかった

「あれ？私のアイスは？」

振り向いてアーサーに問いかけるとそういえばと口を開いた

英「なんかなぁ、お姉さんがこれ食べていいと思う？って聞いてきたから良いんじゃないか？って言っといた」

「はぁ!?アーサー私のって知ってたよね!?」

英「おう」

うっわムカつく‼
なんかフランシスになってる気分だわ

によによしている顔を殴りたい気持ちになったがこうも暑いとどうでも良くなる

「はぁ、もういいわ
じゃあなんか冷たいもの食べに行こうよ」

アイスの棒をくわえているアーサーを見下ろし、そう提案する
彼はあからさまにいやな顔をしたが私のアイスを奪ったのはこいつだ
嫌だなんて言わせるものか

「ほら、早く立つ‼
どっかで涼みたいし」

そういうと観念したように腰を持ち上げた

英「しゃーねーな…
じゃあ車使うぞ
こんな中で歩けたもんじゃねぇ」

「お母さん仕事だからないよ」

大人に夏休みなんてあるわけないでしょ
そう突っ込むとアーサーは大きなため息を吐いた

英「あーそっか…
マジで？歩くのか？」

「近場でいいからとにかく早く行こう
熱中症なりそう」

アーサーの腕を引き、私たちはやっと出かけることになった

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