アーサー到来

完璧じゃ... ページ21

男「おいA！
これ落ちてたぞ」

「あぁ！！これ無くしたかと思った！！
ありがとう！」

教室でハンカチを落とした私は机の下を覗きながらうろうろしていた

クラスの男子からハンカチを受け取りお礼を言った

男「にしてもこの刺繍すげぇな
自分でか？」

「あ、これはアーサーがやってくれたやつ」

ハンカチには私の名前がはいっていた
きっとこれで持ち主が私だと気づいたのだろう


ある日アーサーが裁縫用具を見つけて何かやりたいと言い出した

とりあえず無地のハンカチを渡すと私の名前を縫ってくれたのだ


女「英語だけじゃなくて
体育も家庭科もできるなんて!!」

女'「運動神経よくて家庭的って
完璧じゃん」

「あ、いや...」

話を聞いていた女子が話に入ってきた
その女子の言葉を私は否定した

「実はアーサー泳げないんだよね...」

女「え、そうなの...？」

女'「ま、まぁ
家庭的ってだけで充分素敵よね！」

男「そうそう！
料理が出来る男ってモテるもんな!!」

私の言葉を必死にフォローしたが
そううまくもいかず...

「えっと、
料理はもっと酷いんだ...」

女「え...;」

男「で、でもあれだろ？
もっとっつっても俺よりは出来るだろ？
俺、卵も割れねぇしw」

男子は冗談っぽく言った
しかし私はそいつの目を見て真剣に言った

「でも気絶できる料理は作れないでしょ？」

男「きぜt...いや気絶は...」

気絶は大袈裟とでも言いたかったのだろう
それを口に出来なかったのは私が目をはなさなかったから

私は付け加えるように続けた

「ちなみに被害者多数
ただ一人、アーサーの料理を食べて育ち
気絶しないものもいる」

三人はまるで怖い話を聞いているかのように
顔を強ばらせた

そしてやっと一人が口を開いた




人生って
知らない方が良いこともあるんだね

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