頼れる幼馴染(赤)

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『ただいまぁ』
私は上機嫌で家に帰った。
でも、いつも通りエイジ君はまだ帰ってきてなかった。
一人の家で黙々と課題を片付ける。
今日のプレイリストは洋楽、主にロックだ。
私は静かなのがダメだった。
どうしても思い出してしまうから。

七時ごろ、エイジ君は帰ってきた。

私は急いで音楽を切って玄関に向かった。

　『おかえり』
エイジ君をお出迎えするのが私の日課。
　え「ん」
エイジ君がいつもより素っ気ない。
いつもならただいま、ぐらい言ってくれるのに。

　え「Aさぁ、なんか機嫌良いね」

エイジ君のイラついている声、いつもなら気づけたのに。
今日の私は舞い上がっていた。
　『エイジ君、あのね』
　え「彼氏できたの？」
エイジ君が私の言葉を遮った。
　『何、言ってるの？』
　え「康太。抱きしめられてたじゃん」
　『見てたの？あれはね、そうじゃなくてさ、』
　え「何？」
　『エイジ君、何で怒ってるの？』

やっと気づいた私は何も考えずに聞いた。
　え「怒ってねぇよ」
一度気づけばあとは分かりやすかった。
　『怒ってるよ、何かあった？』
　え「いいから答えろよ」
エイジ君はリビングのソファーに座った。
　え「そうじゃなくて、何なの」
　『そうじゃなくて、告白されたけど、友達になった』
　え「何言ってんの？」
　『気になってたって言われて、でも私康太君の事よく知らないから
　 友達になりましょうってなった』

　え「あっそ」
エイジ君はいつものエイジ君に戻った。
　『高校初の友達、だよ』
　え「良かったな」
ニッと笑うエイジ君に安心する。

　『何で怒ってたの？』
　
　え「怒ってねぇよ」

同じことを言ってるはずなのにさっきと違ってとげが無い。
　『そっか、よかった』

私はまた幸福に包まれた。

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