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『アナウンサーのファンでずっと親爺住みしてたら気になるでしょ?まあ、この冬休み使ってほとんど家に帰らずに探し回ってるだけだと思うけど…。そのお兄さん他に何か言ってなかった?』
「ああ、そういえば驚いてたわよ!あなたの他にも似たような事を聞く人がいたって言ったら…「この病院で水無怜奈によく似た患者を見かけたけど本人か?」ってね!」
え?
「それどんな人だった!?」
「それがよく見えなかったのよ…」
『見えなかった?』
「誰かにぶつかった拍子にコンタクトを落としちゃって…。それを探してる最中に声を掛けられたから…」
「じゃあ声は!?」
「さあ、男の人なのはわかんなかったけどどんな声だったかな…。あ、でも年末に入院された患者さんだと思うわよ!その時期に新しく売店に入れたサンダルをその人が履いているのはぼんやり見えたから…」
な!?
「そのサンダルいつ入れたの?」
「12月18日からだったけど…」
『組織の仲間がこの病院に潜伏しているのは間違いなさそうです』
「今すぐ水無怜奈を別の場所に移すべきです!!」
『いいんじゃないですか?このままで』
「日和ちゃん??」
「わざわざ患者になり…看護師にカマをかけて水無怜奈の所在を聞いている所を見ると、奴らはまだ探りを入れている段階…。確証を得てここに乗り込んで来たわけじゃない…それにこれはチャンスだ…」
「チャンス?」
「1本だった糸を2本に増やすためのな…」
「年末、この病院に入院した男性の患者は20人を超えているそうよ…」
「FBIだと気づかれずにその人達全員を調査するのは、困難かつ時間がかかり過ぎる…」
「12月18日から21日までの4日間だと思うよ!」
「じゃあすぐ院長にその日入院した患者のリストを出してもらうとしよう!」
「あと、気掛かりなのは、瑛祐君の行方だけど…」
「まあFBIとしてはこのまま消えてくれた方が都合がいい…。ノックの息子にうろつかれたんじゃ、色々支障が出かねんし…」
「ノック?」
『
知ってるくせに…;
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作者名:小日向そーご | 作成日時:2020年9月24日 20時