突然の別れ ページ4
それからギルはオーストリアさんに見つからないように毎日花畑に来た。
特に時間も場所も決めてなかったけど2人してこの時間、この場所に来たら会える気がするって思ってた。
ギルとは色んなことを話した。
好きな物、好きな事、最近あった面白かったこと…たまにギルの愚痴とかも聞いた。
ロマ兄とヴェネ兄以外に一緒にいて楽しい…そう思える人だった。
ギルの家(プロイセン)は軍事国家だと本人は言ってたけどギルは不思議と怖いとは思わなかった。
少しずつこの時間が僕の密かな楽しみになっていた。
決して長く話せていた訳では無かったけど…とても楽しかった。
それでも別れは突然やってくる。
ある日を境にギルは花畑に姿を現さなくなった。
でも僕はまた会えるのではないか、と思わずにはいられなかった。
雨の日も風の日も台風の日も…毎日欠かさずいつもの時間、いつもの花畑に行った。
それでもギルは来なかった。
ロマ兄はスペインさんの所だし、ヴェネ兄は神聖ローマと一緒だし…また1人になってしまった。
…まぁ1人はここに来てから慣れてるし…別にギルが来なくなったからって前の生活に戻るだけだもん。
そう言い聞かせながら今度ギルが来た時の為に花冠を作る練習をした。
それから数ヶ月後。
神聖ローマがいなくなった。
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作者名:coco | 作成日時:2021年6月30日 18時