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10階に着いたらエレベーターから降りて零の後に付いて行く。いくつかのドアを素通りして一番端のドアで止まり、零が鍵を開けて部屋を上がらせてもらった。
『お邪魔します。』
「荷物はそこに置いといてくれ、俺がしまうから。Aさんはそこの部屋のソファーに座って待ってくれ」
『分かりました』
言われた通りにソファーに座り、腰のポーチバックから本を取り出す。
自分家だったらクッションを抱きしめながら本を読むんだけど、他人の家じゃ恥ずかしくて出来ないよな…
そう思いながら少し物足りなさを感じながら本を読み進めていく。
10分ぐらい経って。
読んでいた本は飽きてしまった。持ってきていた本は1冊だけだったので、仕方なくクッションを抱きしめて顔を埋めている。
「お待たせしましたって…寝てるのか?」
『起きてる。安心してくれ』
少しクッションから顔を出して彼を見るとグラスと酒の瓶を置いたお盆を持っている零が俺の座っている隣に立っていた。
「なら良かった。酒はバーボンでいいか?」
『うん、良いよ。俺バーボン大好きだから』
そう言うと顔赤くして「そ、そそ、そうか!それは良かった!ろ、ロックがいいか?それともストレートがいいか?」と何故か動揺しながら聞かれたので久しぶりに飲むからストレートで。と答えた。
そういえば昴さんもバーボンを良く飲む人だったなぁ…あの時一緒に飲んだけど、俺すぐに酔いつぶれたんだよな。
前の事を思い出していたら、泊まるから昴さんに電話しなければいけないことを思い出した。
『あ、ごめん。ここで電話しても大丈夫かな?』
「ああ…大丈夫ですよ。」
『ありがとう、ごめんね』
スマートフォンを取り出して連絡帳から昴さんの名前を探して電話をかける。
《はい、もしもし。どうしました?》
『もしもし、昴さん、申し訳ないんですけど、今日知り合いと飲むついでに泊まる事を報告しようと思いまして。』
《ホォー…知り合いと飲む…飲むのは構いませんが飲み過ぎには気をつけてくださいね?酔いつぶれた貴方は何かと危ないので。》
『え…忠告ありがとうございます。では、切りますね』
電話を切って酔いつぶれた日のことを思い出そうとしたが零がどうぞとグラスに入ったバーボンを出してくれたので思い出すのは諦めた。
『ありがとうございます』
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紅月遼(プロフ) - フィズさん» 応援ありがとうございます。更新は遅いですが頑張って進めますので此からも宜しくお願いいたします。 (2017年4月13日 23時) (レス) id: 8f705f234b (このIDを非表示/違反報告)
フィズ - とっても面白いです。これからも応援しています。頑張ってください。 (2017年4月3日 13時) (レス) id: 7c8bb901a3 (このIDを非表示/違反報告)
紅月遼(プロフ) - 堕天使魔夜降臨さん» 更新がいつも遅くてすみません。別に書かないという訳では無いので安心してください。笑 ただこちらにも都合があるので気長に更新されるのを待ってくださると嬉しいです。 (2016年12月21日 20時) (レス) id: 8f705f234b (このIDを非表示/違反報告)
堕天使魔夜降臨(プロフ) - もう、かかないんですか? (2016年12月21日 20時) (レス) id: 481bf25f82 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使魔夜降臨(プロフ) - 続きが読みたい (2016年12月17日 11時) (レス) id: 315b75c551 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅月遼 | 作成日時:2016年6月28日 13時